2/23のねこさん 文は田島薫
ぶあいそになったグレー
先週の土曜の午後、家人と近所のスーパーへ水やビールを買いに行った帰りの、稲
荷神社となりの家、狭い庭の発泡の箱の中にグレーの背中が見えていた。われわれ
がながめてると、気づいたグレーがこっちをふり返ったんだけど、すぐにまた向こ
うを向いてしまい、耳だけこっちを気にしてる模様。
グレーは前はわれわれを見つけるとあいそよくすぐに寄って来て家までついて来た
りするもんで、こちらも、帰る時の少し前に少しそっけなくわざと視線そらしたり
ずっとふり返らないで歩いたりしてたもんで、そのせいかもしれない。
今度もずっと歩いてうんと距離をとってから、そっとふり返ってみると、向こうも
ふり返ってこっちを見てた。
みんなどこ行っちゃったのかな〜、きょうはちょっとさみ〜から、いっしょにくっ
ついて昼寝したかったのに、あり? だれか帰って来たかな? 後ろで気配がする。
ふり返ってみっと、なんだ、ダチの2人組か〜、あいつらなんだかぶあいそなんだ
よな〜、せっかくぼくがそば行こうとしてもあっち行っちゃうかんじで、感じわり
〜から、ぼくもちょっと感じわるくしてやんだ、も〜こっち向いちゃお〜。なんか
言ってるかな?こっち来いよとかなんとか、こ〜、耳をすましておけば、なんか言
ってるのはすぐわかるかんな。んん〜ん、なんにも聞こえないね〜、なんか言えば
い〜じゃね〜かね〜、場合によっちゃそっち行って遊んでやらないこともないんだ
からさ、んん〜ん、変だな〜、そっとふり返ってみっと、あ、なんだいなんだい。