昨日の日記          文は田島薫



小雪模様の長野へ行った


先週は隔月ぐらいで行ってる長野の老人ホームにいる家人の父親を訪ねた。私の妹のわ

が家への訪問約束などでいつもより間があいてしまったことを、ひんぱんにそれをして

いる家人の兄貴に連絡してあったんだけど、ちょうど本来われわれが行ってるはずの時

期に父親が血行不良と思われる失神をして連絡をうけた兄貴が様子見に行き、今は通常

の元気な状態に戻ってる、って報告を受けてたんだけど、そんなこともあり、今回はゆ

っくり2日間続けて訪問することにした。

バスで着いた当日はローカル鉄道の最寄り駅を下り、雪が少し残った道を、兄貴がずっ

と借りたままにしている両親のアパートへ行き荷物を置いてから、父親んとこへ持って

行く菓子やわれわれの食料やビールの買い出しにひとつとなりの駅まで散歩。

翌午前中、家人は電車でとなりの駅に行き家人の幼友達に会って話してからいっしょに

昼ごろ車で送って来てもらう、って言うんで私が具沢山ソーメンペペロンチーノを作っ

てその幼友達にもごちそうしてやった。初めて見る当人は上品で聡明そうなスリムなご

婦人で、姑の世話や各種社会活動を精力的にやってるそうだった。

午後は電車で父親の老人ホームへ、兄貴に聞いてた通り、流行ってるインフルエンザ対

策で面会謝絶の表示があったものの父親の体調問題を考慮して例外扱いしてもらえた。

父親は少し気落ちしてるように見えたものの元気で、持ってたぬれせんべいを小ぶりと

はいえ続けて4枚食い、5枚めの要求にはわれわれが説得してやめてもらった。1時間ぐ

らい話しをしてから寝室に行きたいと言う父親とともにホールまで行きわれわれは待ち、

書きためた彼の日記を車椅子で寝室に取りに行ったまま帰らない当人の代わりにスタッ

フが持って来たんだけど、開いてみると、読みにくい字と読み切れない量だったんで翌

日返すと当人に伝えてくれとスタッフに頼んで帰った。

晩に苦心して父親の日記を解読。気力と体力について意識しつつ頑張る、ってような意

志があふれる内容の中に老眼鏡を作る必要などの文言を見つけたんで、翌日は一駅とな

りまで家人と歩き、100均で老眼鏡の一番度の高いのを買い持って行った。

いつもより早めの2時前に着き、スタッフに寝室から呼び出してもらった父親に持って

った父親の映った旅行写真や日記などを前に老眼鏡をかけてもらったら、よく見える、

とは言うものの反応がうすく、すぐにはずしてしまうから今ひとつだったのかも。

熱心に写真を見てるそばで、日記の読めない部分を父親に老眼鏡といっしょに渡し、尋

ねると、じっと見てから、わからない、って。で、今度はできるだけ読みやすい字で書

いてくれと要望。コーヒーとまんじゅう半分、小ぶりのドライケーキとぬれせんべい5

枚たいらげてから(食わせ過ぎだろう)、眠い、と言ったんで、自分で手足のマッサー

ジや足をよく使うことをすすめてわれわれは2日目の父親と別れた。

そのまま電車で善光寺参道まで行き家人は香を買い、寺でお参りしてから、家人気に入

りの古いホテルの穴蔵のような喫茶店で家人はコーヒー私はビール。で帰り、家人はア

パートの部屋の整理、翌日、朝から雪が降り出した午後のバスで帰路。


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