10/5のねこさん       文は田島薫



黒とら追い出される


戻り夏日の暑い先週土曜の昼過ぎ、家人と自転車で食料の買い出しに行く途中のねこ

よこちょう角の家の庭。黄とらはいなくてテラス手前の縁台の下に黒とらがあっち向

いて寝てたんで、ちょっちょっ、って舌で合図したけど気がつかないようなんでわれ

われはそのまま買い物行き、戻ってきたら黒とらは同じかっこうで寝てたんだけど、

縁台から出たわれわれに近づいた位置に平行移動してた。お、ど〜しちゃったのかな、

ってよく見てみると、さっき黒とらが寝てた場所に黄とらが寝そべっていて、こっち

を見てるんで、よ、って手を上げてあいさつしたら、なんとなく、わかったような顔

(?)してこっちを見てるんで、もう一度手上げてからわれわれは帰った。


またあの台の上で昼寝しながら、ためじろーを待つことにしようかな、って思ったん

だけど、おいおい、きょうはずいぶんあちーね〜、こりゃ、しょーがない、夏と同じ

に台の下にすっか、って下見てみっと、あいつがまん中で寝てやがる、こらっ、そこ

はぼくの場所だぞ、ばーろー、もっとはじっこへ行けっ、つーの、だめだめ、まだそ

れぐらいじゃ、ためじろーが帰って来た時の場所もあけなくちゃだめなんだかんな、

もっと向こー行けー、つったら、外のひなた出ちゃったけど、平気で寝てるね〜、の

んきなやつだね〜、しかし、あんな前出ちゃってると、外からためじろー帰ってきた

時めだつあいつ見て、あれ、ちがうひとの家だ、って帰っちゃうかもしんないから、

まずかったかもな、でも、あいつに、やっぱりもっと中でいいよ、って言い直すのも

かっくわりーから、しょーがない、ここは、ためじろーが来たらすぐわかるよーに、

ぼくは寝ないで外をずっと見張ってることにしよー、ん?いつのまにかまぬけ2人組

がいてなんか言ってるよーだね、しょーがないね、はいはい、もー、行った行った。


戻る