10/26のしゅちょう 文は田島薫
(短気と戦争の関係について)
いつも若者で平和に賑わってる日曜の原宿のきのうの昼間、トルコ人が数百人集まった
トルコ大使館前で、その中の数十人のトルコ人同士の乱闘があった。
トルコ国内である総選挙のための在外投票のために日本各地からトルコ人が集まって来
てた、って言うから、それを、すぐ近所でやれるのに投票に行かない大勢のわが国の国
民は彼らに意識レベルで完全に負けてるようだ。もっとも、民族対立で切実な状況の国
と、今のところそれほど自分の身にふりかかる危険や不幸の可能性はあんまりないだろ
うとたかをくくれるようにも見える国の状況の違いはあるんだろうけど。
で、もめてたのは、与党AKPを支持するグループと、クルド系政党HDPを支持するクル
ド系トルコ人のグループで、クルド系の一部が非合法武装組織PKKの旗を掲げたたこと
にAKPが反応したのがきっかけとも、最初から対立意識だとも。
そもそも総選挙で政権運営の主導者を決める、って民主的な手順を進めてるんだから、
静かにそれをやればいいもんだと思うんだけど、多数派だった与党AKPが6月の前回総
選挙で過半数割れしたため焦りもある模様で、先日の103人の犠牲を出したトルコ人と
クルド系の和平を願う集会への自爆テロはいずれかの謀略による短絡行動だろう※。
トルコでの少数民族クルド人は長年差別を受けていて、1984年にPKKが分離独立を求
めて武装闘争を始めたのを2013年からトルコ政府はPKK指導者と和平対話を始めて、ほ
ぼ安定した状態が続いていたのに、去年の9月にクルド地区がISに侵略された時、トル
コ政府はほっておいたせいでPKKのテロも始り、トルコ政府も対策として今年の7月か
ら空爆を始め、PKKも反撃をくり返し戦争状態のようだ。
どちらの立場であっても腰すえて辛抱強く和平交渉すればいいんであって、とにかく相
手を敵にしてなぐりかかるのも武装闘争始めるのも軽はずみ、ってことで同じ根なのだ。
※その後の検察捜査によると、混乱と双方の弱体化をねらったISの仕業だった模様。
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