9/16のしゅちょう 文は田島薫
(米国の空爆政策について 2 )
シリアやイラクで支配地域拡大しているスンニ派武装勢力イスラム国に対し、米国
は相変わらず空爆を続けてて、参加を要請されたEU諸国にも、おずおずとそれに
参加の意志を示す国も出て来たんだけど、イラク政府に対して軍事行動する反体制
勢力だということで、悪、と決めつけ、安易にそういったせん滅目的の空爆などを
強化するだけで果たしていいんだろうか。この動きは、集団的自衛権を認めた安倍
自民党政権にも直接影響をもたらす動きだ。
どこの国だって、戦争反対を謳い平和を求めてるはずなのに、他国で起きた戦争に
戦争で解決しようとする選択をするのは、それが局地的であり、自国本土でのそれ
ではない気軽さと、悪である敵をせん滅してしまえば解決する単純な問題だ、と考
える結果なんだろう。
ところが、米国はそういった発想で多くの失敗を重ねて来てることを忘れてはいけ
ないのだ。4〜50年前のベトナム戦争だって、ベトコンという反政府勢力をせん滅
するつもりが泥沼長期戦争になり、米国敗退のベトナムの社会主義化は賛美され、
米国の正義の欺瞞性は国内でも批判や問題視されたのだし、それにも懲りずに、デ
マによるアルカイダとのつながりや大量破壊兵器所有を理由にアフガンやイラクの
サダム・フセイン政権へ軍事攻撃し、その後の両国の軍事紛争や混乱は10何年後の
現在も治まってないのだ。
大体軍事攻撃こそが戦争の始りなんだし、それを安易に容認するのはたいてい米国
だったんで、それを正当化する根拠が、正義と悪、って一般米国人や追従日本人た
ちは考えてしまうんだけど、相手から見れば例えばイスラム国から見ればイスラム
国こそがイスラム民族を救う正義であり、それに逆らう米国は悪の国、ということ
になるのだから。
世界各国が自国の安全のことばかり考えるんじゃなくて、本当に世界平和を望むん
であれば、軍事行動してる勢力に、武力でなんとかしちゃおう、って考えずに、そ
の言い分もよく聞き、国連の公平性を追求しながら、外交交渉や、国民投票による
解決を持ちかける努力を徹底すべきなのだ。
イスラム国だって、ただ戦争が好きでやってるだけのはずはなく、必ず目的がある
のだから、相手を悪と決めつけずに、その目的達成のチャンスを公平性の基で提言
すれば、それに応える理性はどんな勢力にもあるはずなのだし、例えば、国連軍と
の戦争の不利益さだって、データで示す、ってことをくり返せばいいのだ。
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