9/1のねこさん 文は田島薫
ねこさん十字路でたたずむ
土曜日の夜、家人と「長旅」から帰ってきた駅からの道の、もうあと200メートルほど
でわが家だってところ、住宅街のまん中、でかいマンションの前の十字路にぶちのねこ
さんが前足を立ててたたずんでいた。ねこさんのいる側から離れた側を歩いてたわれわ
れは、ちょっと行き過ぎてから、ねこさんの方に向き直って、おいおい、車が来るから
そこにいると危ないよ、って言ってみたんだけど、ねこさんわかってないようなんで、
もっとよく説明してやろうと、少し近づいて、そこだとさ、って言いかけた時、相手は
慌ててそばのマンションの庭の中へ走って逃げた。
や〜、いつのまにか涼しくなって、風が気持ちい〜ね〜、ところで、ここはどこだっけ
かな?さっき、どっちから歩いて来たんだっけかな?で、ぼくはどこへ行こうとしてた
んだっけかな?そ〜か、どこへ行く、ってもんはないんだった。ただ気ままにてきとー
に、足の向くまま歩いて、気が向いたとこで止まってくつろいでたんだった。で、今さ
っきここ来て、気が向いたんで、寝転んでみたんだった。で、急に、気がついて立ち上
がったとこだった。行く先はないとしても、もう、そろそろ帰った方がいいな〜、で、
どっちから来たかはわかんないといけないんだった。さ〜て、どっちからだったかな?
お、怪しい2人組が立ち止ってこっち見てるけど、相手にしない方がいいね、ありゃ?
こっち来るか、やばいっ、だっしゅっ!やった〜、自然にさっき来た道にアタリ〜。