8/18のねこさん 文は田島薫
マットの上に黄とら
涼しめの土曜の午後、小雨が降りそうなんで、傘を持って家人と図書館へ歩いて向かう
途中のねこよこちょう入口角の家の庭。のぞくと、テラスの手すりにかかったマットの
上によくシックが乗ってたように黄とらが向こう向きに寝そべってた。
お、黄とらがいる、どこ、マットの上、ほんとだ、って、言って、ちょっちょっ、って
舌で合図してみると、ふり返った。ふり返ってそのままこっちをにらんでる。よ、って
今度は手を上げて合図してやっても、黄とら、そのままじっとにらんでる。
いやいや、ここんとこあっちくてまいったんだけど、きょうは、けっこ〜涼し〜から、
ちょっと、外の台に出てみっかな、ここのやわらかいもんの上に、よいしょ、って上が
って、そ〜言えば、ここはよくあのためじろーが気に入ってたな〜、時々、追っ払って
場所の横取りしてやったもんだけど、あいつがいたから、わざとふざけてただけで、こ
〜してここ乗ってみても、そんなにおもしろい、ってわけでもないんだよな。しかし、
ためじろーのやつはどこまで出かけちゃったんだろな〜、ず〜っと帰って来ないもんな
〜、ためじろーはたびびとだったよーだな〜。あり?どっかで、ぼくを呼ぶ声がしたよ
〜な、後ろかな?なんだ、前によく来てためじろーと遊んでた2人組だな。ん?あんだ
って?手上げてるぞ。ぼくをためじろーだと間違えちゃってんのかもな、ぼくはためじ
ろーじゃないんだよ〜、あいつはずっといないんだよ〜、ばっきゃろ〜。