7/22のしゅちょう             文は田島薫

(国民の命を守る、ってことについて


イスラエルのパレスチナ自治区ガザへの爆撃は相変わらず続き、ガザ側の死者数は増える

ばかりなのに、米国始め各国は犬の遠吠えのように、おとなしい非難のポーズを続けてる

だけだ。

そこへ持って来て、今度はマレーシア航空機がウクライナ上空で親ロシア派からと見られ

る誤爆によって撃墜されたもんで、そっちへ世界の目が分散し、イスラエルは多分喜んで

るだろうことが想像できる。

とにかく、われわれが自分たちの平和が大事って呑気に笑ったりしてる時に、別の場所で

は、なんで自分たちばっかりこう一方的に惨事を被らなきゃならないんだ、って家壊され

たり家族が殺されてるといった平和とはほど遠い境遇にいるわけで、だれだって、そんな

境遇が好きな者はいないだろうに、イスラエルのような攻撃側は、だって、あっちからだ

ってロケット弾やテロが起こされたりしてるから、こっちは守ってるだけだ、って言って、

1人殺されたら100人殺し返す、ってようなことを平然とやって気にしてないのだ。

そういったやり方についても、イスラエルは、自国民の命を守る自衛のためだ、って言っ

て矛盾を感じてないらしいのは、けっきょく、大事なのは自国民の命であって、他国民の

それについては知ったこっちゃない、ってわけなのだろう。

ま、戦う両国にどんなアンバランスな戦力の差があっても、それが始まれば、どちらも自

国民の方だけ大事にするのは仕方ないことなのかもしれないんだけど、それじゃ、戦い始

めたとたんに、戦力ある側がない側をせん滅するまでそれが終らない、ってことになって

しまうわけで、イスラエルは多分、自国への些細なテロに対する恐怖のあまり、その元を

そうしたいと思ってやってるのだろう。ところが、そういった考えで悲劇を被ったことが

あるのがイスラエルのユダヤ人だったんじゃないのか、自分たちは悲劇を被った、今度は

こっちがやり返す番だ、とでも言おうとしてるわけでもあるまいに、多分、自分たちの利

益ばかりに目が行って、矛盾に気がつかないのだろう。

自分たちさえ安全なら他に何が起ろうが対岸の火だ、って感じてるなら、自国民の命を守

るため、って文句は逆に戦争を誘発する危険な言葉になるだろう。

わが日本だって他人事じゃないわけで、もし、わが安倍自民党政権が積極的平和主義、っ

て言葉を本質的な意味で言ってるんなら、さっさとイスラエルに出かけ、攻撃の中止と、

平和的解決策を提案すべきだろう。

国民の命を守るための軍事法の整備、なんて言ってるのが、知らないうちに戦争に近づく

危険な考え方なのだ。自国民の命って言う前に世界じゅうの人々の命と平和を守る、って

言って、すぐに行動しろ、って、だって、今まさに罪のない人間たちが戦争の犠牲になっ

てるんですぜ、安倍さんも、とぼけたことばかり言って笑ってちゃいけませんよ。




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