6/9のねこさん 文は田島薫
食後のねこさん
暑い日が続いた後、今度は雨が続いて、けっこう肌寒い雨の小休止の週末の夕方、家人
と近所のスーパーでビール他を買って帰って来た稲荷神社となりの家。狭い庭をのぞく
と、ミケとグレーがいてちょうどご飯をもらって食べ終えたとこのよう。そこへちょう
ど奥の家の奥さんが出て来て、庭に向かって、ほら出て来なさい、かあいがってもらい
なさい、などとグレーに声をかけてる。なんだかしぶしぶ出て来たグレー、すぐにこっ
ちへは来ず、われわれと話してる奥さんの足下からゆっくりこっちへ来てちょこっと背
中さわらせた後、また奥さんの方へ戻ってじっとしてる。われわれは、じゃ、って帰ろ
うとすると、奥さんがほら帰る人にごあいさつなさい、などと言ってる。われわれはず
っと歩いて、家への坂を下りる前にふり返ると、グレーおすわりしたままこっち見てる。
や〜、食った食った、さて、食後の居眠りでもすっかな、きしょーめ。あり?おばさん
が呼んでるね〜、なんでっか?も〜ご飯食ったからこれ以上食えませんよ〜、ん?だれ
かと一緒だね〜、あ、またあの2人組か〜、あんだって?また遊んでほしい、ってか?
も〜、しょ〜がないね〜、ま、きょうはそっち出てっても暑くて倒れるよ〜なことはな
さそ〜だから、出て行ってやってもい〜っちゃい〜んだけどね、おばさんも呼んでるこ
とだし、じゃ、ちょっとだけだかんな、よいしょ、ってこ〜、歩いてって、と、ま、そ
いですぐに、おばさんより先に2人組んとこ行っちゃうと、おばさんが、そっちの人の
方がいいんなら今度からそっちからご飯もらいなさい、って言われちゃうから、一応、
おばさんの方が大切に思ってんです〜、って感じにしてから、ちょこっとあっちも行っ
てやって、ま、これぐらいにしておいてやっか。お、も〜行っちゃうのか〜、なんだ、
も〜ちょっと遊んでやってもよかったかな〜、じゃ、またな〜。