5/12のしゅちょう             文は田島薫

(異民族とのつきあい方について


人間の感情はけっきょくは世界じゅうみんな同じ、話し合えば分かりあえるし戦争だっ

てなくすことができるのだ、ってような趣旨のことをよく私も言ってるのかもしれない

んだけど、これはもしその通りだとしても、お互いを理解することは時に難しい場合が

多いし、たいてい、その民族では普通のことである行為も別の民族である自分たちの方

では理不尽な行為だと感じる、といったことが続いた場合、どっちかかまたは双方が怒

り、相手の民族全体を否定してしまうことになり、やがて民族紛争やテロや戦争のよう

なことが起きるようなことになるのだろう。

だから、歴史や環境や習慣の異なる異民族同士ではそういった相互に違和感や理不尽さ

を感じることが起きることは当然のことなんだ、って前提を了解しつつそれにめげず、

相互が理解しようとする謙虚さと相手への寛容を持続することがお互いに是非とも必要

で、その努力がやがて実を結ぶことは間違いないのだ。

こんなことを書き出したくなったのは、身近に最近起きた外国人とのコミュニケーショ

ンギャップにちょっとびっくりしたせいなのだ。

その出来事っていうのは、遡ること去年の10月に家人が英国の王室御用達の紅茶会社

からネットで個人輸入したところ(家人は何年もの間何度もそこからそれをしてる)、

どういうわけか11月にカード会社から来た明細は同じ金額がニ重に引き落とされてる。

すぐカード会社に問い合わせたところ、自分とこは自動に処理してるだけだから直接交

渉してくれ、って言うもんで、その時の注文確認のメールのデータつけたまま返信の形

でこの分がニ重に引き落とされてる、ってメールしたところ、当紅茶会社担当からすぐ

に返事が来たんだけど、数字の打ち込みが消えちゃったもんで2回打ったせいだ、とか

なんとか言い訳した後、でも大丈夫、もう心配する必要はないんで安心してくれ、とい

ったメールの返信があったもんで、対処してくれる、ってことなんだな、って解釈し、

ありがとう、って返事して待ち、支払い日の事務上の決済の月遅れなどもあるんだろう、

って考え、返済のないのを三ヶ月も待ち、それでもないんでいよいよ、ずっと待ってる

のに返済がまだなんですが、ってメールすると、引き落とし記録は1回になってます、

銀行に確認すれば、懸念におよばないことだってわかることだ、グッドバイ、って調子。

念のために通帳も確認して、その時のカード会社からの明細をスキャニングし、マウス

のフリーハンドで英訳を書き込み添付。引き落としは1回だけど、同額2回分の合計にな

ってる、って打ってメールすると、2〜3日後に、じゃ、経理に送ってなるべく早く返事

する、ってメールが来たのが4月22日。それから3週間ばかり経ち、その間にも、こちら

がメールを待ってることを忘れないで、ってメールもしたのに今も音沙汰なし。

注文から入金、商品発送までは、スムーズにやってるんだけど、ちょっとトラブルにな

るととたんに行き詰まっちゃうのが英国流なのか。って言うか、日本の商売人の感覚か

ら言えばずいぶんずぼらと言わざるおえないだろう。多分、最初からカード会社からの

明細を紅茶会社の担当に送り、経理にくれぐれも当日の出納記録をすみやかに確認して

くれ、ってはっきり要望すればよかったんだろうけど、日本人である家人と私は、そん

なことわざわざ言わなくても当然担当はやるだろう、って思ったのが甘かったんだろう。

だから、ここで怒っちゃいけないのだ。いや、怒ってもいいけど、それならしつこくし

てあくまでもそれで相手を否定したり切り捨てたりじゃ無意味になっちゃうのだ。もし、

それをしたとしても、けっきょく英国の担当者には、なんのことかさっぱりわからない

のだ。なるほど、とりあえず、それによってだれも死なないわけで、寛容と理解、これ

はわれわれだけの問題じゃなくて、意外に英国人の方から見ても同じ感覚があるはずで、

見方によっては、人間、っておもしろい!?




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