3/31のねこさん 文は田島薫
ねこさんたちの昼下がり
晴れた週末の午後、掃除してる家人置いてひとりで近くのスーパーで酒や牛乳買って帰っ
て来た途中の稲荷神社となりの家の前。アプローチの上にミケのひとりが寝そべってて、
もうひとりの方は狭い庭にいた。あれ?グレーはどうしたかな、って垣根の方近づくと、
もうすでに当人の顔がそこに出て来てた。ちょいちょい、ってはなの頭をたたいてやって
ると、すぐによこのすきまから外へ出て私の足下へ来たもんで、今度は背中をちょいちょ
い、ってもんでやると、私のまわりを少しゆっくり歩いて、それを2〜3回させてから、
離れ、ミケのいる方の石段上ってって少し離れたとこで座ってこっち見てる。じゃ、つっ
て私は立ち去って、最近、家人といっしょの時、坂のあたりまで見送ってくれたもんで、
ついて来てるかも、ってふり返ってみたら、グレー、同じ場所のままだった。
お、そろそろ腹へってきたな〜、って思ってるとこに、あの2人組のひとりがなんだかぼ
くを探してるよ〜だね、袋持ってるから、ぼくになんかおいし〜もんくれる、っていうん
だな、よし、わあった、すぐ行くからね、ぴよん、と、はいはい、来ましたよ〜、あり?
背中なでてるだけなの?あ、そっか、いつもそ〜だった、なんかくれんのかな〜、って思
ってると、袋持っててもな〜んにもくれないんだった、こんにゃろめは、そこんとこすっ
かり忘れてた、そ〜いえば、こないだも、2人組がこっちおいで、ってなふりすっから、
そっか、ぼくだけにおいし〜もんくれたいから、みんなのいないとこまでおいで、つって
るんだな〜、って思って坂んとこまでついてったのに、な〜んにもくれなかったんだった。
なんだなんだ、そ〜だったんだ、も〜、ついて行かないんだよ〜、だ!ば〜ろ〜。