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2014年3月17日(月) 連載・やっぱり春はアート鑑賞だな(3)
『舟を編む』、受賞直後に行ったらレンタル屋の棚に残ってなかった。2週間後に行っ
たら一本だけ返却されていた。
レンタルDVDは今まで利用した事がなかったので料金とか知らなかった。普通のは一
週間100円らしいが、こういう受賞作品は当分の間は一週間380円らしい。DVDはリア
ル映画に比べ迫力や雰囲気に弱いが、この価格ならこれからも利用する気になった。
松田龍平主演の『舟を編む』は今年度の日本アカデミー賞作品賞を取る前から評判は
良かった。必ず見ようと思っていたが、ついつい見逃した映画だ。
評判どおりの映画だった、少し前の日本のしっとりとした雰囲気が良く出ていた。
出版社が10数年掛けて『広辞苑』のような中型の辞書を作る話、こんな地味なネタを
良質な映画に仕立て上げたのは監督の力量なのだろう。松田優作の息子も親とキャラ
は違うが、なかなか良い味を出していた。
辞書編集者には用例採集(言葉集め)という作業が日常的にあることを知った。言葉
と内容が書き込まれた用紙は長年ファイルされ、倉庫のような部屋に膨大な量が蓄積
されていた。
映画の前半部に出演していた『トラ』がとても名演、と言ってもジッと大人しくして
いただけだが。茶トラのオスですごく大きい猫だ、目も比較的大きくてかわいい。こ
の『トラ』で観客は心をギュッと握られ、そのままこの映画の世界に引きずり込まれ
てしまう。
写真はオフィシャルサイトより