2/17のしゅちょう             文は田島薫

平和主義について


安倍首相、自分は積極的平和主義を進める平和主義者だ、ってあらゆる場所で公言し

余裕ありそうな笑顔を見せてるもんで、ぼーっとした国民たちの中には、なんだか、

この人にまかせておいても大丈夫かも知れないな〜、って平和主義って言ってるし、

経済成長もできる、って言ってるから給料も上がりそうだし、って感じる人や、ちょ

っと靖国参拝や秘密法制定や憲法改正目論むところが戦前の気配に似てる気もするけ

ど、今の時代そんなことにはならないだろう、当人もそんなことにはならない、って

断言してることだし、って感じてる人もいるのかもしれない。

ところが、この自分は戦争反対の平和主義者だ、って言う言葉はあてにならないのだ。

だって、国際連盟で日本の満州進出の正当性を主張して脱退を決めた石原莞爾だって

連合艦隊司令官山本五十六だって首相東条英機だって、実は戦争反対だった、と言う

し。ただ状況の流れの中でそれを阻めなかったのと、大事な局面で知らずに戦争を始

めるきっかけを作ったり押し進める力に加担してしまった「だけ」なのだ。

にっちもさっちも行かなくなる重大な局面になるまで、だれもこんな悲惨な戦争を始

めるつもりもなかったのに、あいまいな、それこそ、今の安倍首相がかかげるような

自国本意の愛国心やプライドの表明といった小さな決断と政策遂行が、徐々に自国の

首を絞めて行くような状況を作るのだ。

平和で、のんびり安心、気楽な選挙投票、ってようなことをやってるうちに、どんど

ん国民も自分の自由が束縛されて行く状況を作って行ってるかもしれないのだ。

われわれ国民がきっちり政治を管理していければ、最悪の事態にはならないで済むは

ずなんだけど、先日の選挙のように、自民党に丸投げ、なんとかやってくれるだろう、

ってことになると、いくら安倍さん自身が本気で平和主義だと思っていても、法律の

舵の利かない政治は危うい方向に行く可能性のほうが高いのだ。

今、行われてる世界の戦争や内紛は、戦う双方が、自分の方にこそ正義があり、相手

の悪を滅ぼす目的なのだ、戦争はほんとうはやりたくないし、この戦いの目的は平和

を作ることなのだ、って言うはずなんだけど、これの根本的間違いは、正義なんて確

定したものがどっちかにあるんではなくて、あるのは平和を望む双方の事情だけだ、

って言うことなのだ。だから、政治で大事なのは、世界平和の理念と各国双方の事情

の相互理解と敬意と和解と協調なのだ。

だから、わが国こそ正しい特別な美しい国だ、ってような考えは全然だめなのだ。




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