12/22のしゅちょう
            文は田島薫

(安倍自民党の好景気妄想について


安倍自民党が再選され、ますます自信をつけたらしい安倍さんは、好景気を国民に

より印象づけようとの目論みらしく、大企業に賃金アップの奨励を示した。

円安で自動車業界などが好景気になり、株価も上昇してる、ってわけで、ほら、給

料だってこんなに上がって、ってデモンストレーションするつもりのようだ。

でも、好景気、って安倍さんのイメージは人々がとにかく忙しく働きまわり物価が

どんどん上がる、って形のようだけど、これだとたしかにそういった大手企業の利

益は上がりそうだし、数字上は世間の景気がよさそうに見えるかもしれないんだけ

ど、だれの給料が上がって、どこの企業の利益が上昇して、どこが、暮らしが楽に

なる、ってんだ、って怒る層のことがたっぷり忘れ去られてるのだ。

第一、大企業でさえ、そんな為替相場のバランスだけにたよった輸出増加したって

安定した形で純益が格段に上がるかどうかわかんないとこ持ってきて社員の給料上

げろなどと、国側からの余計なプレッシャー受ければ、呑気で苦労のない大手労働

組合が便乗して、次の春闘などでもそんな要求で盛り上がり、けっきょく、下請け

の請け負い料のコストダウンを招いたりして、未組織労働者や、中小零細企業など

はおいてきぼり、給料は上がらないばかりか、物価ばっかりどんどん上がる、って

いつものパターンになり、実質所得格差はますます開くばっかりだろう。

大体、自然エネルギー開発などの新しい産業の育成もしなかったら、最先端IT関連

事業などの部分を別にすれば、需要も供給も物質的に飽和状態の伝統的産業界にあ

って実質的に好景気の材料は見当たらないのだから、大手正社員などの賃金を下げ

てでも労働時間の時短などによるワークシェアリングなどをしつつ、必要な基幹福

祉産業の充実などをするのが今一番政治に求められる政策であるはずなのに、生産

物売り上げの乏しいパイを食い合ってるようなところの大企業ばかり優遇するよう

な政策やってたら貧困層は増えるし、どんどん少数になって行く富裕層の購買力に

たよるだけの活動じゃ、国の健全な経済活動が循環するはずはないのだ。

血液が全身に順当に巡った時に人間は健康体になれるのであって、一部にしか血が

回らなかったら、その部分は機能不全になりやがて壊死してしまい、切り捨てるか

全身の死を待つしかなくなるのだ。

安倍さんは国や世界という体をどう処理して行くつもりなのかわれわれ国民は今後

もしっかり注視してた方がいい。




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