1/6の日記          文は田島薫



元日の過ごし方


大晦日は風呂入り、そばをゆでてかきあげやねぎたまで食い、テレビの第九流しながら、

時々他のチャンネル回したりしながら、いつもの量のビールと酒を飲んだ。

ココ通の更新は前日の30日に終ってるんだけど、尾形歌人が翌日のきょう歌を送る、っ

て言ってたんで、朝から時々事務所行ってメールチェックしてて、夜8時んなっても音

沙汰ないもんで、大瀧詠一が急死したってニュースもあってちょっと驚いてたりで、そ

っちは除夜の鐘の前にチェックすればいいか、って思ってると、11時ごろ、当人から電

話あり、9時ごろ送ってある、って少しクレーム調の声。その作業して見直しなどして

居間に戻ると、テレビはすでに参拝風景。家人が神社に参拝風景見物行きたい、って言

うんで、家から15分ほどのとこにある「つきのみや」へ行って、入口の鳥居の外まで長

い行列を確認してから帰宅。

起床して、いつもの体操や洗面してから、昼は、両親の家から持って来た屠蘇セットで

家人と屠蘇を飲み、具沢山雑煮をどんぶりで食い、久々にはっぴいえんどのアルバムで

大瀧詠一を大音量でかけ続けた。

午後、映画観に行きたい、って家人の希望を入れ、ダウンを着て出発。とりあえず、地

元の神社で初詣でしたい、って言う家人の希望も入れ、そっち方面へ、今まで歩いたこ

とない道から行きたい、ってこれまた家人の希望を入れ、いろんな路地をぬって、ぽつ

りぽつりと参拝する人の間でかしわ手打ってから、一番遠くて大きい駅の方へ歩いてく。

駅前のパルコの上階にあるシネコンで、どれを観っか、って家人と協議。私としては、

特に観たいものはなく、強いて言えばジブリの「かぐや姫の物語」かな、って思ったん

だけど、口に出す前に家人は「かぐや姫の物語」はいやだ、って断言。それ以外、どれ

でもいいので選んでくれ、って言いながら、トム・ハンクスの「キャプテン・フィリッ

プ」を暗に推してるようなんで、家人の希望を入れそれに決定。

ソマリア沖で海賊に襲われた輸送船の船長が危機を脱するまで、って筋書きを聞いてて

観る前から転開が予想できる気がしてたし、あんまり気乗りしなかったんだけど、他の

映画も似たり寄ったりだったんで、どれでもよかったのだ。

とは言うものの、観てみると、けっこう予想外に2時間飽きることなく過ごせて、この

映画の制作動機が単なる冒険活劇ではないことがわかった。

結局、その大きなもうひとつの要素は海賊に進んでなってしまう若者たちの貧困世界の

現実への問題提起だったんだろう。でかい近代輸送船めがけてぶっ飛ばしてゆくおんぼ

ろの小舟の貧しい若者たちにだれでも少しシンパシーを感じてしまうんじゃないかな。


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