9/30のねこさん       文は田島薫

シックがとととと 3


きのうの日曜の午後、家人と自転車で図書館に行く途中のねこよこちょう入口角の家。庭

をのぞくと、テラスの手前、われわれが立ってる小さな門扉に近い場所にシックがいて、

私が合図の手を上げる前に、われわれに気づくとすぐにこっちへとととととと、右手の駐

車スペースへまわりこんでから体を現した。急いで自転車の買い物かごの小さなレジ袋に

入れてきたタワシブラシを出して体をブラッシングしてやった。ちょいちょいと背中をこ

するまねすると、いったん後ずさりしてから、こっちが待ってるとすぐ近寄ってくるんで、

たっぷりブラッシング。自分であちこち体の向きを変えて、最後はやっぱりごろんと、腹

を見せたんでそこもブラッシング。じゃ、って手を上げて帰る時、やっぱり、なにか言い

たそうに立ったままこっちを見送った。


きょうはおばさんたちどっか出かけちゃったよ〜だね〜、ぼくのごはんまだなのに。あり

?まてよ、ごはんもらったんだっけかな。ぼくはいろんなこと忘れちゃうんだよな。お、

またあの2人組だ、とととと、ってぼくの足はなんで自然にそっち向かっちゃうんだ?そ

っか、ごはんくれんだったよな、ごはんごはん。はい、来ましたよ、ごはんくれっ。あり

?体こすんの?そっか、からだこすらした後、ごはんくれんだったっけ。かい〜とこある

からちょーどい〜や、じゃ、こっちと、こっちもね、さ〜て、そろそろ、ごはんくれっ。

ほら、ぼくのお腹はこんなにぺちゃんこ、あり?そ〜でもないな。ま、気にしないで、ご

はんくれっ、つってんのにそこもこすっちゃってんの?で、ごはんくれないまんま帰る、

ってか、おいおい、体こするだけこすりやがって、けっこ〜気持ちよかったけど。


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