サニーイズム          文はさぬがゆたか


「世俗的」イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
ロックオタクサニーが、独善サマフェス評論してくれました。



2013年9月14日 土曜  

「サマフェス三昧」 ※長文につき嫌な人はお避けくださいませ


敬老の日の連休を狙ったかのように台風が来るらしい週末、残念だなじいちゃん

ばあちゃん。楽しみにしていたろうに町の運動会も中止になるんだろうか。

野外の催しものってのには雨降りや風の影響がつきものだけど、それは兄ちゃん

娘ちゃんも同じで、音楽ライブ・フェス三日間ともなるとだいたい降られることが

多い。それでも若い人にゃそれもフェスの楽しみじゃないのかなと思う。

となれば、濡れると身体がもたないわたしゃテレビで観ることがいいんだと思う。

大枚はたいたチケットや車の移動や宿泊先を心配もせずに、衛星放送でその様子が

観られるってことの恩恵にほんと感謝している。


そんなわけで申し訳ないからと、夕方の放送開始前にゃきちんと豆腐やその晩の肴を

テーブルに用意し、冷凍庫でキンキンに冷やしたグラス持参で待つ姿が小さい幸せ。


●Rock In Japan Fes 2013/Wowwow live

  会場は茨城国営ひたちなか海浜公園で三日間の開催。参加ミュージシャン、バンド

  以前に思っていたロックに比べ、紅一点ぽく女性がベースや他楽器で加わって

  きているみたい。汗かきまくるより若干清々しくなってきてるんですか。

  山崎まさよし、もう手慣れているのね。音の量の出し方で伝え方も効果的で

  ステージを緑の多いところに選んだのも功をなすのね。

  こんな時に感動するのは、今まであらたまって聴いていないバンドの意外性で

  White Ashが良か。そのへんの勉強少年のような風貌でガッツリな少年団ロック

  がいい。英国田舎の少年バンドThe Strypesを思い出した。

  名前の覚えづらいバンドがたくさん続き、それなりに大御所も出たりしてるのに

  中々感動出来ないでいると、自分ってもうそういうもんに体質的に聞けなくなって

  きてるんだろか?などなど自虐が始まる。

  東京カランコロン、大橋トリオ、その後のKANA-BOONってのも良かったなあ。

  あまり他のバンドにないギターリフやヴォーカルも簡潔明瞭で連続する詩が面白い。

  こういうのがオッサンにゃ創れないんだよなあ。

  爐るり瓩辰討里睥匹。汚れたテレキャスターもサマになってるし、それよりも

  大きく又開き反り返って吹くトランペットの単音がいい、それもその女性が似合って

  いるんだよ。マルを付けました。

  トータス松本の「笑ってみ」安全地帯の「じれったい」はもう完成したステージングで

  茨城まで来た甲斐があったと思うんだべな。自分も観て良かったと思う。

  MIYAVIって人のギターも良かった。顔立ちもかっこいいので評判なんだろうなと思う。

  その後三日目も翌日続き、たくさん聴いた。ドレスコーズってののトートロジーがいい。

  まるで村八分のチャー坊やどんとを想像する勢いが好きになっていく。

  随分と飲んで眠くなりだすころ、最後はパフュームでお口直し。小便の匂いがしない

  生身のアニメキャラのようでこれはこれでいいんだろうと思う。

  数時間にも及ぶ視聴でけっこう疲れはてた自流ロックフェス。


●SUMMER SONIC 2013

  出場する外人アーティスト達がだいたい「トーキョー」って叫ぶけどここ会場は

  千葉の幕張でロッテ球場周辺だ。ディズニーランドと同じで、そのへん千葉県民は

  おおらかだと思う。ま、ええけど。

  放映はこちらも夕方7時から始まって0時までの二日間で、それなりに暇な人じゃ

  ないと視聴出来ないけれどそのへんは大丈夫。いつもの晩酌セットを用意し扇風機。

  同様にたくさんのステージがあって、大きいのは球場で小さいのは海際にもあって

  気にいったミュージシャンを満喫応援する。緑の少ないエリアのせいか、ステージは

  酷い暑さで汗がタラタラと流れ、弾くギターもしんどそうだった。

  今年の夏の暑さのどまんなかで炎天下のフェスは、家でこじんまりと観るに限るなと

  しみじみ思った。しかし、みんなタフだねえ。

  アーティストたくさん出てる中で、申し訳ないけど爐發發い蹈ローバーZ瓩好きに

  なった。そんなことはなかったのに、どうしたことか心がうきうきしたのだ。時のAKB

  よりもどことなく普通で、親戚の姪っ子みたいでもあり、中肉中背で小脇の汗臭さを

  感じる体型だからなのか?誰がメインだとかセンターだとかじゃなく、学芸会の延長

  みたいなノリで夢中に踊り「働くぞ、働くぞ、働くぞ、君のために 」とわっしょい

  してくれるのが心地いいのか。汗かいて股開いて踊ってニッポン人だなと思えるから

  なのかな。

  White AshとKANA-BOONはここにも参加していてやはりコール&レスポンスが良いし

  タバスコジュースもいい。スマッシング・パンプキンズのプログレシブ具合と存在感

  たっぷり女性ベースにも惚れた。

  シンディローパー、ジョン・スペンサー、Earth Wind & Fire、Pet Shop Boys、MUSE

  ベンチャーズはさすがに厳しい音の力不足でテケテケも寂しかった。光っていたのは

  特製モズライトギターだった。

  サンボマスターはいつもにも増して汗たっぷりかいているのに、大橋トリオの彼は

  白いシャツが涼しそうに見えるのが不思議。髪の多いリリーフランキーみたいで

  その風貌が気になってたまらん。同じく涼しそうに見えるのはミスチル君もで

  一重瞼だからだろか。などなど音楽を聴いているのか何を観てるのかは、とにかく

  視聴時間も長いのでそうなってしまう。

  とんでもないヒット曲を出したミュージシャンを除けば、全体のバンドでやんわりと

  感じるのは、メロディ旋律っていうの?それがすごく個性的でいい!のが少なくて

  リズムに付加される楽器類なんかに頼り過ぎているような気もするんだけど。

  素材そのものを磨きかけるよりもトッピングで他との違いを出しているみたいな気が

  するんだけどね。大きなとんでもない旋律リフを期待してみても、それはなかなか出て

  来るもんじゃないのね。


●FUJI ROCK FES 2013

  フジロックって言うんだから富士山麓なのかというと、そうではなくて新潟の苗場スキー場

  で開催されてはや14年目。初年度だけ富士の裾野天神山で開催されたが嵐に見舞われ二日目

  が中止になった噂のフェス。

  数えきれないくらい通い散財した苗場スキー場が、緑の斜面一面音楽村に変わってなんとも

  複雑な気持ち。それでも三日間通しで過ごせばおそらく10万円は掛かるんだと思うから

  何をしても得られるものがあれば出るものもあるってこと也か。

  今回お気に入りのひとつは、エディ・ロバーツとウエストコーストサウンズ。ジャズとファンク

  が混ざってとにかく心地いい。オルガンとサックスとトランペットにファンクなギターの切れが

  大人の遊び方はこうだよ的にみせてくれる。それよりもドラムがあまりにも凄いので調べて

  みたらジャマール・ワトソンって人で、ニューオリンズ界隈のブラスバンドじゃ一等賞だらけの

  人だった。このリズムを聴いてしまったら他のドラマーが凹んで見えるくらいだ。

  オブ・モンスターズ・アンド・メン。北欧アイスランドからのバンドで大柄なのにキッチュな女性

  とクマ体型なのに繊細な声の男性がヴォーカル。なんでか馴染む。

  ゲイリー・クラーク・Jr。この手のギターが好きな人にゃたまらないだろな。かのヘンドリックスの

  後継者と噂されるだけの文句なしの凄さで、最近のクラプトンをあらたまって聴くと、なんとなく

  カロリー計算された料理のようで退屈にさえ感じる。完成系とは思えないけれど、その危なっこさの

  リフや間、その瞬間瞬間で勝手に指先が動いたであろう出る音のかっこ良さ。今回のステージで

  弾いたテレキャスターからあんな音が出るとは快感だったし、ボリューム奏法もちょうどいい。

  比べ、仲井戸チャボとチャーのジャパニーズ・セッションは残念ながらダメだったと思う。

  小さいライブステージやハウスにはいいとしても、鮮度を感じられなかった。好きな人達だけに

  自分が観たステージ・ジャンピング・ジャックとは違った面も欲しかった。むむ。

  締めはナイン・インチ・ネイルズのデジタル音と大きな液晶画面のビジュアル・ワークが長く

  流れた。こういうものに感触を薄く感じるのは自分の老いなんだろね。音は音で感動したい。

  雨降る中、お客は脚元はぬかるんで滑ってぐちゃぐちゃでも、音楽で腹一杯幸せなんだろう。

  こちらはその具合を画面から想像するしかないのが悲しいやら嬉しいやら。


DAY 2  三国峠から下り湯沢に向かう国道17号沿いに雲が低く掛かり雨降りの様子。

  ゴンドラの終点駅から見下ろした稜線は、雪山から緑になっても何ひとつ変わらないのが

  歯痒い。 音楽ありきを主体にやがてそれらを囲む自然あってのフェスに進化していった

  のが14年も続け17万人もの集客につながっているんだろうと思う。

  かつてのスキー王国を思えばどれだけの数字かと思うけれど、ある種恵みおごりで成り

  立ったものと、努力継続で作り出した数字の違いを思う。

  二日目は雑用その他できちんと観ていられなかった。スーザン・ベガを久々に観て

  あんがい若いなあ・・と思ったけれど、なんでかシャツの下に踊るぷよぷよお腹に

  年月の流れを感じる。んでも、それがあんがい好きな自分にもなっているとは。

  マニッシ・ボーイズの斉藤和義の頃から、我が家の中華ナベが台風の影響で画像が

  ポチポチしだした。


DAY 3 放映は嵐の敬老の日。

  今日は6時過ぎから観た。たくさんのミュージシャンの中、やはり記憶の

  人はWilko Jhonsonに決定!

  1947年生まれのどっぷり年金ロッカーで、Dr,Feelgoodでも時代を築き

  上げた達人だけれど、今年早々に膵臓癌で余命云々を発表した後の出場。

  束縛される治療よりも満足する活動を選択したいといい、そのステージ

  様はベース・ドラム・ギターの三人とは思えないくらいキレキレの熱さ

  になって現役の素晴らしさを魅せてくれた。以前のライブ活動の売り上げ

  もすべて震災の東北福島に支援する姿がそうさせるのか、雨の中すごい

  盛り上がりだった。たぶん、来年に同じステージには立てないだろうと

  ドクターが言い、本人も言っているそうだ。

  グリグリ頭のいかつい顔、黒のテレキャスに真っ赤のカール・シールドを

  フェンダーアンプに繋ぎ4曲、ただただバイバイ・ジョニーと叫んでくれて

  かっこ良すぎました。どうにか癌を乗り越えてくれないだろうか。

  その後もいくつか観たけれどやっと終了・・・。 観るだけでもそれなりの

  体力と気力と時間が要るサマフェス週間だった。これで夏が終わり秋を迎える。

  まとまりのない長い音楽日記におつきあい、お疲れさまでした。


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