8/12のしゅちょう 文は田島薫
(大人子供の危険と希望について)
あの人の心は子供のように純粋だね〜、と子供の部分をほめる場合と、あの人は大人だね
〜、って大人の部分をほめる場合の両方が人にはあるわけだけど、確かに子供には子供の
よさがあり大人にももちろんよさがあると同時に、それぞれにそのわるい部分もある。
子供はたいていは世間の事情にうといわけだから、自分の直感でストレートに感想や行動
を起こすので短絡で我田引水的なものになることが多いし、大人は逆に世間の事情を心得
てるもんで、周囲の調和を重んじるあまり新しい視点で物を考えることがしにくい。
理想的には、世間の俗なしがらみに拘束されない子供のような純粋で自由な発想で世界の
理想を追求し、どんな相手にも敬意をわすれずその心をつかむ大人の気配りで行動する、
ってことがいいのだけど、世間を観ると、たいていは、世界の理想なんてハナから信じて
ないしとにかく自分と自分が属す環境が「偉そうに見える」ようにすることだけが一番大
事なことで、そのためにはどんな裏の手だって使うのが大人ってもんだ、って考えてるん
じゃないか、って見えたり、自分を偉そうにするためには、下手に出る必要がない相手と
見ればすかさずとにかく威張る、相手が威張ったら、さらに負けずに威張る、ってような
知恵の遅れた幼稚園児並の子供のような悪い部分も合わせて持ってるように見える。
朝まで生テレビ観てたら、ちょうどそんなおやじが出てて、戦争だってやる時はやるんだ、
ぐらい息巻いてて、幸いそこにい合わせた知識人たちは彼を相手にしてなかったんだけど、
あまりのばかばかしさにスイッチを切った。
翌日の新婚さんいらっしゃい、たまたまテレビつけたらやってて、沖縄出身のお笑いのひ
とりが新妻と出てて、彼はずっと売れずに結婚できなかったところ、ある時番組を持てて、
給料が60万ぐらいもらえたんで沖縄から呼び寄せ結婚したそうなんだけど、すぐにその番
組がぽしゃり、また貧乏になった時、新妻と居酒屋にいて、支払いする金がないんで、新
妻に払わせるの見られるのやだなと思いながらトイレ行って帰って来て、財布見るといつ
のまにか新妻がこっそり1万円札を入れておいてくれて、○○さんいつもごちそうさま、っ
て他の客にも聞こえるように言った、って話。なんだか、番組中のみんなが泣きそうにな
って、見てる私もつられてしまったんだけど、これは、相手の心に寄り添った大人の仕事
って言えるのかも。もちろん、そんなに思いつめるほどの状況じゃないし、私がそれをや
られたら感じ方は違ったかもしれないんだけど、その思い遣りがしみる、ってとこはそれ
こそ、国同士の関係にも応用できたら、戦争はなくなるんじゃないか、と。
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