思いつくまま、気の向くまま 文と写真は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、選挙の意味をわかりやすく説明してくれてます。
参院選雑考
時の政権党を民意で選ぶのを民主主義というのなら、今回の参院選結果をみると日本に
も民主主義が定着しつつあることがわかる。
2012年の衆院選につづく自民党の圧勝であるが、今回の参院選の結果はすこし意味
がちがう。自民圧勝の結果によっていわゆる衆参ねじれ現象というものがなくなった。
これがなにを意味するかというと政治のすべてを自民党に付託するということになる。
自民党政権がケシカランといって、2009年の衆院選で衆参ともに民主党政権をつく
りあげた。こんどはそれもケシカランということになって2012年の衆院選で自民党
に政権をもどしたが参院とのねじれが残った。そして、今回の参院選で完璧な自民党政
権ができたというわけである。
この二回の政権交代で国民は自分たちの考えで政権を左右できることを学習して民主主
義のなにものであるかがわかったはずだ。
しかし、問題がある。
自民党がダメだからといって民主党の中身を吟味せずに政権につかせたばかりに惨憺た
る結果となった。今回もおなじことが言えそうだ。確かに自民党は手堅い政治をやって
くれる。口先ばかりの民主党とちがって国民の求めることの大半に応えてくれるが困っ
たことによけいなこともやってくれる。憲法改正と原発再稼働だ。
どちらも国民の総意が定まっていないのに自民党はこの問題を進めようとしている。
自民党は、二つの問題の推進を隠すどころか公言している。後世問題がおきて「われわ
れは、経済問題は付託したけど憲法と原発は別だ」といっても通らない。
「コンクリートから人へ」という民主党の甘言に酔って民主党政権を作ったように経済
復興をめざす「アベノミクス」に酔って自民党政権を作ったのであれば、「明日のご馳
走と交換に20年30年先の国民の命を奪う」ということをやってしまったのかもしれ
ない。
これが民主主義である。