6/3のしゅちょう 文は田島薫
(経済援助のあり方について)
このほどアフリカ各国の主脳を集めたアフリカを盛り上げる目的の会議で安倍首相が共
に発展を、といった演説をした。アフリカに目を向け、その貧困を無くして行こう、っ
て意図ももちろんあるはずで、いいことだと私も思うし、首相もそれを自覚していい笑
顔をしてたんだろう。
産業発展の手助けの経済援助をたっぷりするから、がんばってくれ、そのためにはアル
ジェリアで起きたテロなどがないように治安もしっかり、って趣旨だったろう。
これを別の見方から考えると、近年、中国などのアフリカ進出が盛んで、日本は遅れを
取ってるもんで、今後の利益を見込んだ国内の輸出産業拡大を計る、って意図も見える。
一方、アルジェリアでのテロはじめ、アフリカ各地で起きてるテロや反政府攻撃は、貧
困で仕事もない現地の若者をテロ組織などがリクルートしてるという識者の報告があり、
わが国からの経済援助などがそういった貧困撲滅に直結してなくて、けっきょく、為政
者や、一部の企業の利権を生んでるだけ、という懸念があるのだ。
先日来日したミャンマーの民主活動家アウン・サンスーチー女史が、日本人ジャーナリ
ストの質問「他国が軍事政権に経済制裁してる時も日本が一貫して援助してたことにつ
いてどう思うか」に、「いい面と悪い面があり、厳密に検証が必要」と応えたのにはそ
ういった問題があるのだ。
わが国はODAが世界でもトップの援助国だ、って胸を張るんだけど、どうも、自国の経
済成長も目論んだバラマキで、まず初めに解決すべきその国の底辺で苦しんでいる庶民
の生活向上に役立つような具体的できめ細かい配慮が欠けてるようだ。
民間ボランティアが医療活動や井戸掘り、植林、学校づくりをしてるような、現実に世
界の貧困を無くすための、確実に人間生活の基本的条件を向上させるような援助をもっ
とやって欲しいもんだ。
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