4/30のしゅちょう             文は田島薫

訳のわからない記念日について

このほど安倍首相主導で国会議員や知事や天皇皇后まで集め、4月28日が主権回復の

日として式典を開いたらしいんだけど、一方的にそんなこと決められちゃって、何の記

念なんだ?って国民の大部分はとまどうばかりだ。

安倍さん、美しい日本を取り戻す、とか言って妙に張り切って、色んなこと言い始めて

るのは、彼の理想とする日本の形に国民全体を「教育」していきたい、って気持ちの現

れだろう、と見える。証拠に、本来、国を縛る原則であるべき憲法を改正し、その条項

に国民の義務の表現を入れ込む意志を示したり道徳教育の復活を主張したりがある。

で、今度の記念日も、1952年4月28日にサンフランシスコ条約の発効で連合国の占領

を解かれ主権を回復した、って言う記念だ、って言うんだけど、これは日本がしかけた

戦争に負け、連合国によって裁判や調停が行われ、言わば、情けをかけてもらい感謝を

持って頂いた、ってような主権なわけで、なんだか自分たちの犠牲的活動(そういった

活動努力が一部の人々にあったにしても)によって勝ち取った、ってように誇るような

種類のもんではないだろう。安倍さんの言う「未来に向かって希望と決意を新たにする

日にしたい」日ならば、8月15日の敗戦の日でいいだろうし、その日に大いに反省と

謝罪を確認して未来に繋げる、って考え方の方が内外に理解と同情を得られるだろうに。

そういった反省やら謝罪やらはできるだけ最少に形だけのものにしたり、今だに屈辱を

得ている沖縄などの立場や戦後補償も受けられない在留韓国人の立場をほっとくんでな

く、そういった人々の不幸改善にどんどん実施に動く方が、手前勝手な儀礼的かけ声ば

っかりやってるよりよっぽど国民の賛同を得られると思うんだけど。




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