4/22のねこさん       文は田島薫

シック石になる

先週末の夕暮れ前、用事をかねて10年ぶりぐらいに遊びに来た家人の友人が帰るのを

送ってった家人が、ねこよこちょう入口角の家のぞくと、テラス前の敷石の上に茶っぽ

いかたまりがあったんで、ねこさんかと思ってよく見たんだけどけっきょく、なんだか

わからなかったんだって。翌日、私と買い物の途中そこをのぞいたら、そこにはそんな

かたまりなかったから、あれはやっぱりシックだったかも、ってことになった。

そう言えば、何週か前、敷石の上で寝そべってるシックを見たことがあった。


や〜、こ〜あったかくなってくっと、あの台の上でひなたぼっこやりすぎると、体が熱

くなっちゃう時あんだよな〜、そ〜いったばやいは、こ〜、この石の上に寝る少しぬる

〜い感じがとっても気持ちい〜んだね〜。も〜、ぼくは、気持ちい〜場所をいちばん知

ってるやつなんだね〜、やるもんだね〜、にくいね〜、ここで、寝そべっちゃうと、も

〜ぼくの体から力がぬけるね〜、うぉほー、ってな声も出ちゃうし、そ〜なると、も〜

びくとも動かないんだね、ぼくの体は、も〜下の石といっしょになっちゃって、どっち

が石なのかな?こっちが体なのかな?ってな感じになっちゃうんだね〜、ん〜、で、こ

のまま寝ちゃう、ってーと、これがちょっとやばい、気がついたら、石がすっかり冷え

きっちゃってて、ぼくの体も冷えきっちゃってることがあっから、それでも気がつくば

やいはまだいんであって、これが気がつかないまま、つーことになっとやばい、寝ちゃ

いけない、寝ちゃいけない、気持ちい〜、けど、寝ちゃいけない。


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