2/18のねこさん 文は田島薫
ねこさん風よける
晴れた先週末の昼過ぎ、駅前のスーパーまで食料の買い出しに自転車で行った帰り、
横道を茶とらが向かいの小さな鉄筋アパートの方へ歩いて行くのが見えた。
少し春めいて来てそれほど寒くはないようなんだけど、風があってそれに当たると
冷たくて寒い。ねこさんもどうやら、同じ気分だったようで、向かいの洗濯もんが
干されてるベランダに飛び上がってから身を低くしてる。それをながめてると、ね
こさんの方もこっちに気がついてこっちを見てるんだけど、特に表情はない。しば
らくながめてても、ねこさんになんら変化なかったもんで、その場を離れた。
いい天気なもんで散歩に出て来たんだけど、ひや〜、風がちべたいね〜、こ〜歩い
てるだけで、ぞぞぞ、ぞくぞく、って気持ちが落ち着かない、ったらないね〜、こ
れじゃ、散歩散歩なんてのんびりやってるどこじゃない、おしっ、あそこのなんだ
かごちゃごちゃしたとこだったら風が来ないかもしんない、よいしょっ、っと、で、
こー体を低くして、もし、風が来ても頭の上を通ってもらう、つった2段がまえで、
もー万全だ、つーことで、ん〜ん、落ち着いた落ち着いた、つってると、向こうで、
ぼくを見てるのがいるね〜、風よけられてるぼくがうらやまし〜のかな?だめです
よーだ、ここはぼくが先にめっけたんですよーだ、しっしっ、…、帰んないね〜。
だめですよー、とっとと帰んなさいよー、お、やっと帰ったか〜。