思いつくまま、気の向くまま
  文と写真は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
センセーの今年の総括は、ど〜にもこ〜にも意気が上がらない風情。



もういくつねると




年の瀬である。

ココ通も残すところあと一回。

こうして書いていると、昔、なんの予定もない夏休みや冬休みをまえにして、つまらない

日々を送る自分の姿を思い出す。

そのころ、東京っ子は田舎に親戚をもたなかった。ほとんどの子供の親戚は都内におり、

なかにはすべての親戚がおなじ区内にいる子もいた。

田舎に帰って、祖父母、親戚の家でおもいきり遊ぶことに心はずませる友達に置いてきぼ

りにされた自分の前にあるものは、休みの間にやらなければならない宿題だけだ。


クボせんせーは冬休み。一葉もどきさんは、ズル休み。不定期登校(投稿)のサニーさん。

みなさん自分の予定を楽しんでいる。そのなかで一人さびしくココ通を書く自分は、半世

紀前にひとりぽつねんと宿題に向かう自分の姿にかさなる。


今年のできごとのいくつかは、将来日本史年表にゴチックで書かれるだろう。

原発事故の汚染処理の国家肩代わり。銀行は助かるだろうが、これでは国民がたまらない。

特定秘密保護法成立。これを評した外国通信の「日本は、金で恐怖を買った」という記事

を読んだとき恥ずかしかった。アベノミクスに目がくらんでとんでもないことをしたと後

悔する日は遠くない。

新防衛大綱。軍隊と軍備増強は一度動き出したら止まらない。これで日本も一人前と喜ん

でいる人たちは、集団的自衛権のもと日本に直接関係のない戦争に喜んで参加してくれる

のかな。とばっちりをくうのはいつも傍観した国民ときまっている。

猪瀬東京都知事の辞任。オリンピックにうかれて選んだ知事殿はこう言った。

「いろんな発想を持って都知事になったが、政治家としてはアマチュアだと思った」

これを聞いて「いまさらなにを…」と言い返せない猪瀬知事を選んだ都民のなさけなさ。

こうしたことを指折りかぞえると、いくつねてもいい年はこないようだ。


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