11/18のねこさん 文は田島薫
ごはんの時間
先週の中ごろ家人と近所のスーパーへ買い物に行った帰りの家の手前の坂の上、稲荷神
社のとなりの家の前、生け垣に囲まれた幅1メートルほどのスペースにエアコン室外機
があって、たいていねこさん2人がそこに乗って寝そべってて、場所取りに遅れたらし
いもう1人のねこさんが下のサンダルの上に寝そべってるのが見れるんだけど、この日
は全員下にいて、家のガラス戸の方を向いて座ったり立ったりしている。われわれが垣
根のすき間からのぞいてると、全員の首だけがこっちを向いたんだけど、しばらく見合
った後、また元の方へ向き直って、またこっちを2度ばかり見て向き直った後はもうこ
っち向くのは全員やめた模様。
さあ、そろそろごはんだぞ、ほら、おばさんが立ち上がって奥行ったから、ごはん持っ
て戻って来るはずだぞ。ごはんごはん、おばさん、まだかな〜、なかなか戻って来ない
ね〜、ごはん取りに行ったまま戻って来ない、ってことは、も〜ごはんがなくなっちゃ
ってて、いかん、も〜ごはんないや、買って来なくちゃいけない、っておじさんと相談
してるとこかもしんないね〜、でも、も〜うちにはお金がないから買えないじゃないか、
っておじさんが言ってたりして、そしたら、おばさんが、自分たちのごはんのためのお
金がまだあるじゃないの、って言ったりしてさ、そしたら、おじさんも、そっか、おれ
らのごはんを半分にしてその分でねこさんたちのごはん買って来っか、って、や〜泣か
せるね〜、って大変な時にあの2人組がこっち見て笑ってるぞ、みんなでにらんでやろ
ーぜ、どだ、こらっ、しっしっ、帰えんないね〜、いや、ほっとこ、おばさん、ごはん
買いに行っちゃったんだね、じゃ、しばらくごはん出て来ないね〜、お、出て来た。