11/11のねこさん 文は田島薫
坂んとこのねこさん
天気予報で日曜が雨だ、つーんで土曜のうちに図書館行っちゃお〜、ってことで家人と
自転車で出かけ自転車乗ったまま登るのは少数の若者だけ、って坂をふたりで別々の方
法で登ってると(ちなみに私は乗ったまま)、坂の中腹を白っぽいねこさんが身を低く
しながら横断して行くのが見えたんだけど、渡り切るのに後3分の1ぐらいのとこでわれ
われが見てるのに気づいたらしく、こっち見ながら立ち止り固まっている。われわれが
遅い速度で近づいて来ることにも横断の途中だったことにも気がついたらしいねこさん、
ふいに前を向いて向かいの家の方へ走りこんだ。そこまで登ってからその家の方見たら
車が止まってるだけでねこさんの姿は見えなかった。
ぼくはこの山に住んでるもんで、こーやってけわし〜谷を渡って行かなくちゃなんない
んだね〜、ぼくはひょっとすっと、やまねこ、ってことなんだね〜、しかし、あちこち
で見かけるでっかい箱が時々しらないうちに動き出して行き来するもんでさ、ぶつから
ないよ〜に気をつけなきゃなんないのが大変なんだ、山は危険だ、ってうわさは、この
ことだったんだね〜、きょうも、ここを、さーっと、渡る、つーことなんだけど、あり
?だれかが登って来んね〜、なんだか怒ったよーな顔してぼくを見てるね、なんかぼく
の渡り方わるかったかな?、…つって、立ち止ってる場合じゃない、つーの。