サニーイズム 文とイラストはさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
サニーの場合は、夏の終わりに一兵卒になったようです。
2012年8月31日 「草刈りの日」
先週末、毎年夏の終りのこの時期に自治会の草刈りがあった。首にタオルを巻き
麦わら帽子に軍手の地味なカッコーで地元神社の境内に集まる。
夏の間に伸びた境内の草や、路地に伸び過ぎた小枝などなどを、みんなと一緒に
刈りながらきれいにするわけで、何十っ所帯もの人達が一斉に鎌やノコギリや
エンジン草刈り機を動員する。
自治会長の軽い挨拶ののち、それぞれが現場に散り出し、あっちこっちで刃物が
飛び交い出す。
草たちには災難以外なにものでもなく、スクスクと背筋を伸ばしていられた
この数ヶ月が夢のように崩れ去る日なのであります。
■ 最前線を行くのは基本形の小さい鎌。(一対一の闘い、根っこにスッと切れ込む)
■ それを援護するような長い鎌。(ある程度振り回し、乱れた切り口になりやすい)
■ エンジン草払い機。(どこもかしこも一掃する。どんな草もわかりゃしない勢い)
■ 除草剤噴霧器。(もっとどんな草も虫も地面もダメにしていく最終兵器)
地面に腰を下げながら、至ところから聞こえるエンジンの音を聞いていると、それらが
まるで軍用ヘリコプターのようにも聞こえ、草木の災難を想うのであります。
で、自分は何に配属されたかというと、最前線の小さい鎌部隊。
一対一の相手の根っこのしつこさを思いつつ、タメで戦う意義も学んだんであります。
比べ、一気に刈り払うエンジン機や噴霧ってのは、ある意味誠意がないんじゃないかとも
思え、これもあれもジ〜ッとしゃがんだままの炎天下の作業だったからなのか。
そして刈りこまれた路地は、まもなく小学生の二学期を迎える。