9/18のしゅちょう             文は田島薫

群集心理について

野田政権の尖閣諸島の国有化宣言後、中国政府による領有権主張を基にした怒り報道

を真に受けた中国民衆の一部によって中国国内各地で反日デモとそれがエスカレート

した日本スーパーなどへの焼き討ちが起った。

きちんと自分で客観的事実なりを検証する意識の高い層なら、安易にこんなデモには

参加しないはずなんだけど、長年の反日教育を受けた素朴な若者たちには、無批判に

反日報道を信じてしまう下地があったのだろう。

デもや暴動の映像などを見てると、前線近くで暴れてる若者たちは怒ってるようなん

だけど同時に多くがなんだかどこか嬉しそうな顔をしてるように見える。

中国共産党によって、自由発言や行動を抑えつけられてきた反動もあるんだろう、暴

れてる群集の周りでそれを携帯などをかざして傍観してる大勢のやじうまたちもどこ

か嬉しそうに見える。

そりゃそうだろう、これは、中国政府に対する暴動じゃないのだ、政府の考え方に沿

ったいわば愛国的な表現なわけだから、どんなに過激にやろうと、批判されるべき日

本に対してのことなんだから、自分たちが逮捕されたり罰せられたりするはずはない、

いわば無礼講なのだ、祭りなのだ、わっしょいわっしょい、悪い日本を追い払え、正

義のわが中国への愛国心に燃えたすばらしい若者である自分、ってわけなのだ。

自分、そういう同じ考えの同志がすぐそばにいっぱいいる。こうなると、もう、自分

の正しさはもう火を見るより明らかだ、ってことになり、押さえようする警官隊を押

し返してみる、警官隊が反撃してきたらすぐ逃げるつもりだったんだけど、あれ?反

撃しないな、ってことは、やっぱりわれわれの行動をほんとは支持してて、表向き、

それを抑えるように見せてるだけなのか、じゃ、この店ん中突入しても問題ないよな、

ほら、特に大きな取り締まりみたいな行動を起こす気配はないし、大丈夫大丈夫、日

頃こわもてでわれわれを取り締まってるような警官たちも、手出せないんだ、ってこ

とんなると、こー警官に抵抗できるのもなんだか楽しいな〜、さて、なんでもやって

いい、ってことのようだから、とりあえず日本のものは車でも商品でもみんな壊しち

ゃえ、ってちょっとそばの小さなものをたたき壊してみて、横を見る、横のやつはも

っと大きな高そうなもんをたたき壊してる。やっぱり大丈夫なんだ、じゃ、火もつけ

ちゃおう、しかし、あれ、この高そうな宝石は小さいからポケット入れてもわかんな

いか〜?そうだ、悪い日本のものなんだから正義のぼくらがこらしめのためにもらっ

ちゃってもいいはずだな。

万単位の日本企業が中国に進出してて、そこで働く中国人も膨大な数いるわけだし、

こんな暴動をよしとしたら、中国民衆の損失も膨大なものにもなるのだから、「不遇

な層による一時的暴走」を大多数の中国民衆の良識がきっと対処するはずだ。




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