思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、実感が込もった言葉の考察してます。



ひきわけ

辞書には「試合や勝負事で勝負がつかないまま終わらせること」とあるが、ふつうに感じ

るほどには公平感がない。

勝つつもりでいた試合がひきわけになると負けた気がするし、負けるつもりでいた試合が

ひきわけになると勝った気分になる。


北方四島の帰属についてロシアのプーチン大統領が“ひきわけ”にしようといっているが、

どうひき分けるのだろう。島の面積割はむりだからいかがなりますやら…。いづれにして

も日本は勝つつもりでいるからひきわけになったら負けである。

おなじようなことで、竹島は、尖閣は…。どちらも“ひきわけ”とはほど遠い問題だ。


ひきわけにはもうひとつ意味がある。

平安の昔、全国から朝廷に献上された馬を上皇と皇子にわけることを駒牽(こまひき)と

いった。馬を牽き分けるわけである。

これは偉いというか強いほうがいい馬を牽く。北方四島も、竹島も、尖閣も強い方が引っ

ぱっていくだろう。


鹿島アントラーズが川崎フロンターレと「ひきわけ」た。負けるつもりでいた試合がひき

わけになったので勝った気分になって書いている。


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