7/9のしゅちょう             文は田島薫

(望まれるリーダー像について)

行政改革を連呼して支持を広げ政権についた民主党が、それの成果をほとんど見せな

いうちに公約違反の増税やら原発再稼動決断やら、どんどん怪しい方向へ進んでいる

ようなんだけど、これはどういうわけだ、って言うと、元々そういう下地があったん

だ、としか言い様がない。

公務員改革は支持母体の公務員組合に気兼ねがあるし、自分たちに直接かかわる議員

待遇の改革にもつながるわけで、実行に移す時期には歯切れがわるくなる一方で、国

民の生活を守るなんてきれいごとだけのスローガンになってしまって、それどころか、

それさえも野田政権は忘れてるようだ、けっきょく、目的は政権とることだけだった

感が、その前に選挙で当選することだけ、選挙で当選するには政権政党が有利だ、な

ぜなら、経済界の支持を得られるからだ、ってことになり、そのためには経済界の意

向に沿った政策を、ってことになり、原発も稼動した方がいい、ってことに、実に野

田さんわかりやすい。わかりやすいけど自民党とどこが違うんだ、ってことになる。

民主党が支持されたのは、国民の暮らしをよくする、ってことが一番って公約を国民

の大多数が信じたからのはずなのだ(それを律儀に守る小沢一郎さんはなかなかえら

い)。それを指摘すれば、人あたりのいい野田さんは、そのための増税だし、原発だ

って電力を安定供給させることによって国民の暮しを守るためだ、って笑顔で答える

んだろうけど。

だいたい、福島で起きた原発事故は日本中どこでも起る可能性がある、ってことがは

っきりした上、直下に活断層の存在も指摘された大飯原発が再稼動でいいのか?

生活を守るための第一は安全のはずだろうに、危険性を放置したまま、万一また震災

事故が起きたら首相はどうするつもりだろう。こんなことになるとは思わなかった、

って言って泣くんだろうきっと、これが日本の今のリーダーなのだ。

全くその素質がない私が言うのもなんなんだけど、リーダー、ってもんは、周囲の者

に話のわかるいい人だ、などと思われる必要はない。人々全体に目を配り、常に一番

つらい立場の者を救うことを念頭に置き、その健康や安全を考え、その次に環境改善、

と順番に考えるべきで、自分の周囲の連中にもそれを教示はしても、手近な利益を与

えて人気をとろうなどの考えは眼中にないのがいいのだ。




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