思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、関塚ジャパンにメッセージしました(?)。



無敵艦隊と決定力不足

寝苦しい真夏の夜をすごすのにはオリンピック女子サッカー日本対カナダの深夜の中継は

恰好のものであった。

なでしこの名のごとく、やさしい気持ちでカナダに0点という屈辱を与えずに1点をプレ

ゼントして快勝した。

そのあと10時間後におこなわれる男子サッカーは相手がスペインということもあって、

何点差の負けで終わるかということしか考えになかった。


ところが、ところが結果はご承知のとおり。

あくる日のメディアには、“日本スペイン無敵艦隊を破る!”の文字がおどった。

この、無敵艦隊の名を使ったメディアは日本だけではない。400年も昔の呼称で揶揄さ

れるスペイン国民の気持ちはどんなものだろう。

そもそもこの無敵艦隊という呼び方は、向かうところ敵なしの無敵ばかりではなく艦隊の

装備編成が当時世界一であったためだが、スペインが国をあげて挑んだ1588年のアル

マダンの海戦では戦略の古さでイギリスに勝つことができなかった。


試合後の評価は、日本の「決定力不足」という言葉でほぼ統一されていた。

ボール支配率日本35%スペイン65%、フリーキック日本11スペイン20、コーナー

キック日本4スペイン6というなかで得点につながるシュート数は、日本12に対してス

ペイン6である。この数字をみるまでもなくテレビで見ていた人にはおわかりであろう決

定力不足を。


無敵艦隊という大時代な言葉がでてきたので、ついでにわが連合艦隊はどうであったか。

東郷平八郎率いる連合艦隊は別として先の大戦における連合艦隊の戦果はまさに決定力不

足につきた。レイテ沖海戦のように優位な立場にありながら相手に止めを刺すことができ

なかった。大丈夫、しっかりそのDNAを、政、官、民で引き継いでいる。

首の皮一枚を残すという言葉があるが、どうも日本人は止めを刺すということが苦手なよ

うだ。


追記 昨夜の試合をみると、この拙文がイギリスのSJに届いていたことがわかった(笑)


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