7/17のねこさん       文は田島薫

炎天下のねこさん

今年一番の暑さだとかなんとかテレビで言ってたような日曜日の午後、レンタルビデオ

借りに自転車で出かけたついでに、ねこよこちょう入口角の家の庭をちょっとのぞいて

みたら、そこのだんなさんらしき人が立ってて、庭のぞく不審な私と目があったんだけ

どかまわず、以前いつもねこさんがいたテラスのあたりとか手前の台の下とかを目で探

したら台の下の方にこげちゃのねこさんがぐったり寝そべってた。ねこさんなんとなく

私の方を見たんだけど、特にそれ以上の体勢の変化は見せず、なんだか、人間のだんな

の方が、こっちへ殺気を送ってるような気がしたもんで、すぐに立ち去った。


いや〜い、ひょえ〜い、あちちちちち、なんだこのあつさは、すずしーとこ探して歩き

まわってるうちにめまいがしたもんで、とりあえずここの台の下逃げ込んだんだけど、

ここもたいしてすずしくないやね、でも、ま、日なたにい続けてたら今ごろ死んでたろ

うから、ま、たすかったってことで、しかし、もー、びくとも動くのやだね。ここのお

じさん出て来たけど、ぼくをどーにでもしてくれ、煮るなり焼くなりして食うなら食っ

てくれ、ってもーすてばちな気分なっちゃってんだねぼくは、あっちでだれか別な人が

ぼく見てるよーだけど、そこの人もぼくをどーにでもしてくれ、煮るなり焼くなりした

おいしーエサを食わすなりしてくれ、あり?さっきとちょっとちがうこと言っちゃった

かな、そーか、その前に、つめたい水をぼくの頭からかけてくれてもいーぞ、つめたい

水を飲ませてくれてもいいぞ、すずしい家ん中へどうぞ、って言ってくれてもいいし。


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