思いつくまま、気の向くまま 文と写真は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、見せ物小屋見てすぐに連想しました。
見世物
東京広し、といえども毎年の夏まつりに見世物がかかるところはいくつあるか。
ここは知るだけでも50年以上つづく。代はかわっても同じ興行師らしい。
最近は、お化け屋敷は知っていても見世物を知る人はすくない。名前くらいは知っていて
もその違いをしらない。お化け屋敷は見物をおどろかすのが目的だが見世物は字のごとく
めずらしいもの、あやしいものを見せる。その中身はときにはエログロにおよんだがこの
頃はそうでもないようだ。
それでも写真では読めないが「生の迫力で魅せる女たちのからくり小屋」「驚異の怪力女
悶絶!命からがらショー」「奇術!魔術!曲芸!珍人間!」「子供から大人まですごい人
気です」「強烈悶絶雑技一座」と大書して、写真右側の赤い紗幕越しに見える女のように、
ちょっとアブナイ雰囲気で客を呼び込んでいる。
一時こういうものはすっかり廃れたが最近はかわった。とにかく若い子がよく入る。それ
も圧倒的に女の子が多い。
男というものは元来気が小さく臆病である。男は度胸、女は愛嬌というのはウソである。
この日も連れの女の子に引きずられるように入っていくカップルを何組もみた。
小心翼々と言うとどうしても現政権党に話しが向く。
まわりの意見を聞かなければ何一つ決められない。いや聞いても決められない。そのくせ、
「奇術!魔術!曲芸!」をつかっても実現不能なことばかり言う「珍人間!」のあつまり。
と、思っていたら、「国民の生活が一番の迫力で魅せる政治家達の悶絶」とおいでなすっ
た。
そこにあるのは、「驚異の迷走首相悶絶!命からがらショー」を見せる「強烈悶絶政局一
座」。
どうやら昨今は永田町が見世物小屋と化してしまったようだ。
強制的に木戸銭(税金)をとられて“六尺のオオイタチ”を見せられるのではかなわない。