●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
シリーズ9回め、もどきさん、失敗から悟りを得ました。



シリーズ なくて七癖

三日坊主

飽きっぽい性格なのか、目移りする性格なのか、いろいろ挑戦してみて三日坊主で終わ

ったものは自慢じゃないけど指折り数えても十指に余りある。

例えば、家計簿をつけること。

子育て真最中の頃、家計が苦しいので無駄を省こうと家計簿を思い立った。ところが家

計簿をつけだしてみると、収入と支出がなぜか合わない。何かつけ忘れているものがあ

るはずで、一生懸命思い出そうと天井をにらみ、頭を叩いてしばらく考えるのだが、そ

れでも思い出せなくて、結局使途不明の雑費が膨らむばかり。

婦人雑誌の付録の家計簿は細かくて緻密、大ざっぱな私には何もそこまでと考え、そし

て家計簿とのにらめっこの時間がもったいないなあと思った。

えーい、たとえ収支勘定を合わせたところで家賃や新聞代が安くなるわけではなし、三

食を二食にできるわけではなし、要るものは要るのだ、金は天下の回りもの、と開き直

って家計簿をつけるのを止めてしまった。

もう一つの痛恨の三日坊主は、運転免許を取得しようと思い立ち、ドライビングスクー

ルに10万円の前金を払い込んでおいて、仕事が忙しくなったのと体調不良で通いきれ

ずに断念したこと。10万円は惜しかったなあ…

そのほか、健康のための運動教室。水泳、マシーンジム、太極拳、ヨガ、などに入った

り出たり…これらはすべて腰痛改善のためなので治れば自然と足が遠のいてしまうので

ある。

石の上にも三年、継続は力なり、などという立派な言葉を頭に浮かべてなんとか叱咤激

励を試みるのだけれどダメなものはダメだった。

どうやら人には物事や人間と向き合うとき相性というものがあるようだ。

相性が合わないと決して長続きはしない。

そこで私は考える。嫌々物事をやるほど人生は長くはない。やる気と我慢ができるほど

のことを見つけて、楽しく幸せな気持ちでそれをずっと追いかけていきたいと。

これって、自分を甘やかす悪い癖だろうか・・・


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