思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせいが金環触とともに帰って来ました。
金環蝕
正しくは金環日蝕というらしい。
日蝕がおこると乱世になるのか、乱世に日蝕がおこるのか。
遠く岩戸神話の天照大神が天の岩戸に隠れ、あたりが暗くなったのは日蝕ではなかったか
といわれている。神様方も当時は乱世であった。
源平の乱も日蝕に脅えた源氏が日蝕を予知していた平家に負けたとか。日ごろ勉強をしな
いといけません。
金環蝕というと石川達三の小説「金環蝕」を思い出す。これは池田内閣から佐藤内閣へ移
るときの汚職に題材をとっている。
現在はどうかというと日蝕が毎日おこってもいいくらいの乱世である。
それもそのはず、日蝕の蝕と言う字は「むしばむ」と読む。なにごとも虫がつくのはよく
ない。「霞関シロ蟻」なんていうのはとくにわるい。
関東圏で見られるのは173年ぶりの金環蝕ということで世間は上を下への大騒ぎ。なん
でもその経済効果たるや163億円になるとか。
ダイアモンドリングが観られるわけではないし、白い輪っかを観たってしょうがねぇと、
世間の騒ぎに背をむけていたが、まぢかになると古の天文少年の血がさわぐ。
二日ほど前から手持ちのレンズを引っぱり出してなんとか400ミリ相当のレンズを組み
あげた。減光フィルターが必要なのだが市販の日蝕フィルターを買うのはしゃくにさわる。
そこで往年を思い出してボール紙で天体望遠鏡に使う減光板と同じものを作った。
いざ撮影をはじめて金環蝕になったときは感動した。
白い輪を撮ってもしょうがないので少しまわりの雲を活かして撮ってみた。