クボユーシロのページ

2012年4月2日(月)  連載・春はまだか(10)

毎年ここに来るヒヨドリ君が今年も来た。例年より一週間ぐらい遅い感じだった。

以前TVで渡り鳥ヒヨドリの移動を見た。北海道から海を越えて青森に千羽以上の大群で

渡る時、ヒヨドリにとって逃げ場のない海の上は鷹類の絶好の餌場と化す。このヒヨド

リ君、5年間もそんな修羅場を潜り抜け毎年ここへ来ている、すごいやつだ。早速、バ

ナナとロールケーキを細かく切って投げてやった。とにかく、彼はおちょぼ口なので大

きく切ると食べるのが大変。以前、不忍池に立て札が出ていて『鴨など渡り鳥に餌をあ

げないで下さい太って長い距離が飛べなくなります』とあった。あれからヒヨドリ君の

餌も少なくした。

今年は来るのが遅かったので、東北地方の放射能汚染をもろ浴びてしまったのかと心配

していた。彼は普段何を食べているのか、山里の植物や小さな虫類だろうか。移動の途

中で東北を通る以上、汚染された動植物も口にするだろう。こんな小さい体だ、セシウ

ムやその他の毒はすぐ許容量一杯になる。人間は汚染から逃れる手段を持つが、自ら逃

げる事のできない、東日本の山中に生きている動物たちの汚染が心配だ。


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