12/31のねこさん       文は田島薫

さみ〜ねこさん

先週末、年末の食料補充に自転車で出かけた帰りのねこよこちょう、ねこさん見ない

まま年越しか、っ思ってた道の向こうに黄とらが立ち止ってこっち見てる。すぐに道

を渡って、角の家のとなりの家の前の広い駐車スペースに入った。行って見てみると

車の横にいて立ち止りこっちを見てる。しばらくすると、車の下へ入ったんで車の反

対側が見えるように少し戻ると、ねこさん出て来て、またこっち見てる、今度はそば

の塀に飛び上がって、その上で寝そべってくつろぐまねして、またこっち見てから、

となりの家の植木のたくさんある庭に飛び下りたんで、そこが見えるように、また私

も少し戻ってながめたら、フェンスの向こうでこっちを見てる、しばらく見合ってる

と、こっちへ出て来たんで、お、こっち来るか?って思ってたら、手前で曲って、植

え込のみたくさんある玄関の方へ行き、玄関の前で中に入るようなまねしてる。


や〜、さみ〜ね〜、なかまもとんと出て来なくなっちゃったし、こ〜、どこ行くあて

もなく歩いてるのは、じっとしてるとさみ〜からなんだね、あり?あっちでぼくを見

てるのがいるね〜、あやし〜ね〜、ぼくをどっかあったかい場所に連れてっちゃおう、

ってのかもしんないね〜、それならお願いしちゃいたいとこだけど、ぼくをあったか

いおなべにしちゃおう、って方だとこまるから、つきあわない方がいいね、きっと、

さて、この車の下はあったかいかな、って、思ってるてーと、また、さっきのが見て

るね〜、ぶきみだね〜、さっさと車の下入ちゃおう、んと、あんましあったかくない、

で、すぐ出ちゃう、てーと、またさっきのが見てる、やばいから、手の届かないとこ

へ、ぴょん、っと、さて、ここで、少しあったまれるかな、てーと、ちっともあった

かくない、あっちの草の上のがいいか、ぴょん、っと、で、まさか、ってあっち見る

てーと、さっきのが見てる。もー、こーなったら、こっちからぶっとばしに行ってや

るか、つって、とととと、と、ってやっぱし、まがっちゃったね、ぼくは、おーい、

そこの家の人ー、あやしーやつに追われてますあったかいとこでかくまってくれー。


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