12/10のしゅちょう             文は田島薫

経済成長の落とし穴について

衆議院が解散して今度の日曜に選挙、ってことになってるわけだけど、民主党が

公約も充分に守れなかったし、東日本大震災時の対応やその後の対策の遅れ、沖

縄基地移転の約束不履行やらでだめだ、って批判が集中し、じゃ、って自民党が

張り切ってるわけだけど、けっきょく、じゃ、自民党だったら、民主党よりいい

政策ができたのか、って言えば、同じかもっと悪いもんだったかもしれないわけ

で、民主党にくらべ自民党が利口だったのはただ、できない約束はしない、って

ことだけなのだ。

けっきょく民主党もだめ自民党もだめ、ってことで、伝統的左派野党の他に、そ

の矛盾を説得できなけりゃ選挙に勝てない、って考えた連中が次々新しい党を立

ててる、ってわけなんだけど、経済成長を第一重視で原発継続もやむおえない、

って言う自民党や維新の会などと、はっきり廃止と言う左派野党と民主党や未来

の党に大きく分けられる。

原発継続やむおえない、って言う連中は、いわば経済成長が世の中の矛盾をすべ

て救う、って言って、それがないと産業も衰退するし電気代も上がるし暮しが貧

しくなり失業問題も解決しない、って人々をおどしてるわけだけど、暮しが貧し

い人々が増えてるのは、経済成長神話に踊らされて無理な成長計画を実行してる

大企業が、自分たちの所得は計画通りに確保しつつ、そのしわよせを次々下請け

のコストダウン要求や非正規雇用の人件費削減でしのいでるせいなのだ。

必要な物資はちまたにあふれ、その生産は人件費の安いかつての後進国でまかな

えるなら、それを作るのも売るのも海外で、ってその利益だけ追究すれば、数字

上は経済成長したかにも見えるだろうけど、現実に豊かになるのは国民の一部で

しかないのだ。

産業の将来を考えれば、しばらくの減益も覚悟して自然エネルギーの開発などの

新しい産業を進めるのがいいはずなんだけど、企業は目先の利益追究と、自分ら

の権益確保を優先、ってことで、経済成長、って言葉を歪曲し食い物にしてるの

だ。経済成長が国民の福祉の目的だと言うなら(だれも言ってないかも)、まず、

設定された自分らの(大企業や自治体の)所得を守って無理な長時間労働したり

する一方、次々だれかにしわよせさせ、例えば放射能のまん延する原発で低賃金

長時間労働させたり、もっと下では、仕事が全くない失業者が出たりの所得格差

を生む雇用関係の不平等を是正して、だれもがふつうの労働時間働き、必要なも

のをふつうに買うことができる安定した消費社会を作ることが、数字上の経済成

長より、もっと国民の安心できる住みよい国を創れるんじゃないのか。




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