10/29のしゅちょう             文は田島薫

右翼老人について

石原慎太郎が都知事を自ら辞任して国政に参加し、あわよくば首相になるつもりの

ようだ。

民主党が、やはり支持母体の公務員組合などに気兼ねしてるうちに、政治公約遂行

がだらしない結果になり、国民の支持率が下がって来たこともあり、自民党その他

の野党が政権交代のチャンスと見てるところに、そこでも人材不足を感じ、われこ

そが、って元気出してるのが石原後期高齢者と阿倍晋三初期高齢者なんだろう。

彼らが多分、愛国者であり、日本をより豊かで尊敬される国にしたい、って思って

るのは本当だと思うんだけど、発想がちょっと短絡的過ぎるんじゃないだろうか。

憲法改正して核武装したい、って言い切ってる。

たしかに核武装してれば、中国やら北朝鮮、米国にさえ、多分強気な発言ができる

だろう。尊敬される、ってことが、危ない国だ、って警戒される、ってことの意味

だとすればそれは達成できるだろうけど、それじゃ意味がないんじゃないか。だい

たい、核軍縮が国連のテーマになり、それに向けて先行核保有各国が努力している

中、やはり、その各国がそれの保持バランスを自国が優位に、って思ってる矛盾が

あり、そこをついて、北朝鮮、パキスタンやイランなどが核武装を進める悪循環が

止まらないわけなのだし、唯一の被爆国日本が世界に向け核廃絶の主導的メッセー

ジを続けることこそが世界平和のための使命のはずなのだから。

武士道精神かなんかわからないけど、自尊心だけたっぷり持ち、相手の立場を軽く

見て、いつも上から目線で発言する。これは勘違いもうろく老人の特徴なんであっ

て、これが一般市民なら、しょうがないじいさんだなあ、で済むんだけど、こうい

うのは神経が太い(自分のプライドについては過敏な神経を持ってるんだけど、他

人のそれに対しては無神経)もんで、国政でけっこう堂々として表面上かっこいい、

われわれ日本人のプライドをくすぐるようなこと言うと、ものを考えない人たちは、

おお!その通りかもしれない、って思わず乗ってしまう危険があるのだ。

彼らは原発存続も支持してて、これは日本の国力保持に欠かせない、って言ってる

わけだけど、この初期と後期二人の老人は育ちがぼんぼんだったため、人の苦しみ

ってもんは知らないか考えないもんと見え、なんかの拍子に戦争になったり、再び

原発事故があったりしても、そこで武士は嘆かないもんだ、などと言うのかもしれ

ない。しかし、老人たちの本音のところと強みは、自分たちはその頃いないからわ

が身の安全は大丈夫、って思ってるところなのだ。




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