思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、団塊の世代に苦情と励ましと諦めと。



超級市場男客事情

団塊の世代と呼ばれる人たちは、数が多い分だけ世相を変える。

その団塊世代も定年を迎えた。

いままで平日にスーパーマーケットやショッピングセンターで見かける男の客はほとんど

が高齢者といってよかった。ところが最近はその風景に大きな変化がうまれた。

そう、その団塊クンたちがリタイアをしたためにやたらに売り場をうろつくようになって

きた。その姿は、女房のお供もであり、また率先して買い物にいそしむ。それ自体は悪い

事でないのだが…。


先輩高齢者は艱難辛苦を積み重ね主婦の買い物ルールを習得して主婦の邪魔にならないよ

うに従順に買い物をしていたのだが彼らは違う。若さと体力にまかせてカートを戦車のご

とく走らせ、やたらに商品をかきまわす。そのうえ現役のころの優越感が忘れられないの

か人の迷惑もものともせず、わがもの顔で売り場をうろつきまわるので邪魔でしょうがな

い。なかにはなすすべもなく女房の買い物が済むのを待って通路の真ん中にカートを止め

てボーッとしているご仁もいるが。


行きつけのスーパーの中にある魚屋。この店は裏日本に本店があり、昼時になると昨夜獲

れた魚が買えるという便利な店だ。その店頭に団塊クンが陣取り「この魚はどうやって食

べるのか。してまたその調理法は?」と魚屋のオバちゃんを5分ほど独占している。

魚なんてものは、パッと見てどうやって食べるのが一番美味いかくらい考えろ!と怒鳴り

たくなるのを我慢する。かなたを見れば冷凍ケースの扉を開けっぱなしにして中身を吟味

する。レジでは余分のレジ袋を要求する。なににつかうのだろう。氷サービスの製氷機の

前ではマグロ一匹冷やせるほどの氷を持ち出す、等々。皆カーちゃんの教育か…。

世の中完璧に変わりつつある。団塊クンがんばれ!


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