サニーイズム 文はさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
サニーは、いつもの日常の有り難さと無常、その両方を感じてるようです。
『 東北沖地震 』
三日ぶりにいつものホームセンターに出かけた。駐車場がガラガラに
空いているので不思議に思ったら、福島原発事故により計画停電施行
で急きょ早めの閉店だって。携帯ガスコンロのボンベと灯油と乾電池の
コーナーを覗いたら、いつもならたらふく並んでいる乾電池もボンベも
すっからかんに売れ切れ!見事なくらいに整然と売り切れに唖然・・・
まっ いいか 少しは在庫もあるし七輪も炭もいつもの分ぐらいはあるし
と思い、食料品のスーパーマケットにも立ち寄ったら、こちらも唖然!
これが日本かと思えるくらい生鮮食品の棚がガラガラで、震災で流通が
滞っているからで、それにしても数日前までのあの盛況の日々は何だったのか。
照明の落とされた店内を急ぎ足で、30%オフから半額にまで落とされた
魚介を買ってレジに並んだ。いつもの賑わいがない、いつもの混雑がない
ただレジスターの音と「本日は震災による計画停電により急きょ・・・」
が流れ続けているわけで、前の奥さんも後のばあちゃんも兄さんも
泳がない視線で並んでいる。
普通に人が賑わって買物をする夕方の風景がなんとも幸せの象徴だった
のかと思うと、今このレジに並んでいられる幸せを感じ、なんとも
いとしくてたまらない気持ちになった。
つい三日前、このストアーの隣で車で信号待ちをしていたら突如揺れ
出した。目の前を横切るはずだった自転車の女子がなんだか転んだり
横では座りこんでしまう人。変に上下左右するもんだからと後ろを
振り返ったらストアーの壁面が踊ってるし、電線はまるで縄跳びでも
せ!とまでの振り具合。交差点の向こうのケヤキの大木が弓のように
ゆっくり揺れているのをみて「あ・・・地震だ・・地震・・」と。
交差点で右往左往するのもなんだから、ふわふあするハンドルで
その場から離れ家に戻ったら、部屋中本やCDが散らばっていた。
テレビを点けるまではあんがい平常だった気がする。
たった数日間で、あった風景が、あった賑わいが、あった信用が
それよりもあった生命が、今なくなってしまっている現実に
思えば思うほどにどうしようもない。
ラジオで誰だったか覚えていないけど、こんな時になんですがとDJ
音楽をとハワイの曲を流した。張り裂けそうなときに申し訳ないけど
背中の張りが緩むのを感じた。ありだと思う。
くらべテレビ民放局が解禁されたかのように今日あたりから食べ物
番組や“No〜No〜Hairムダなところに毛がはいた〜”とコミカルに
唄う脱毛会社のCMが流れるのも現実なのか。
PCの横にキャンドルを灯し哀悼を
平成23年3月14日
災害に遭われている方々にお見舞い申し上げます。