クボユーシロのページ
2011年1月31日(月) 読書感想−2
寒かった、今日の朝がこの冬一番かな近所の綾瀬川も氷が張っていた。
金原ひとみの文庫本『蛇にピアス』、『アッシュベイビー』、『AMEBIC』3冊を
立て続けに読んだ。
どれも著者本人が50%から90%ぐらい自伝的に関わっているような気のする小説
で20歳前後の女性が主人公。
『蛇にピアス』は著者が19歳に書いた小説で2年後に芥川賞を受賞。舌にピアス
穴を開け徐々に穴を拡大し最後に先っぽをカット、蛇同様の二股にする痛い話。
古着屋の店員と同棲する主人公は自由奔放に生き、金がなくなると登録制日払い
のコンパニオンでホテルなどのパーティーに行き働く。マネージャーからキラキ
ラ光る舌ピアスは困ると言われ仕事の時には外すと書いてあるが、この事は著者
の実体験なのではと思う。実際の金原ひとみは蛇舌でないが舌ピアスをしており、
3歳の娘の友達が「見せてー」と来るらしい。
芥川賞の選考委員だった村上龍は「この小説には、現代を生きる若者の暗部、つ
まり具体的には身体加工を含む暴力、アブノーマルなセックス、それに殺人や死
への願望が描かれている。」と言っている。全く同じ意見、さすがと言うしかな
い他に書きようが無い。でこれを『蛇にピアス』の読書感想とする…手を抜いて
ごめん。