2/7のねこさん       文は田島薫

小心もん

土曜日の昼過ぎ、いつものように自転車で食料の買い出しに行くと(ここまでほとんど先週

の出だしと同じ)、ねこよこちょう入口角の家のテラスの上にぶちねこさんがいてくつろい

でる模様。そのちょっと先、ななめ向かいの家の簡単な屋根のついた駐車スペースの端にく

ろとらさんが座っててこっちと目があった。ねこよこちょうの路地では子供とおとうさんら

しいのがキャッチボールしてる。買い物済まして帰ってきたら、駐車スペースのくろとらさ

んはまだいたんだけど、急に跳ね上がって庭の奥へ逃げて行った。よこちょう角の家テラス

のぶちねこさんの姿はなかった。


どっかから急にやって来たあのねこさん、あの家のテラスの上でいつも堂々とくつろいでる

もんで、ぼくら仲間たちはみんな感心してんだよな、ぼくだってみんながいる時や、家の人

がルスだってわかってる時はテラスに上がったりしてるんだけど、あの奥さんが時々出てく

るような日は、とてもじゃないけど、いらんないんだ。きょうは奥さんいるんだけど、ため

じろうのやつ、自分もあいつみたいにやってやる、つって、テラス上がってくつろいでるふ

りしてるようだけど、ぼかーだめだね〜、このちっちゃい家のちっちゃい屋根の下にいんで

も、すぐ逃げられるように自分でも知らず知らずはじっこ行っちゃうぐらいなんだから、そ

んなんじゃだめだから、せめてためじろうぐらいになろー、つーことで、少しづつこの場所

のまん中目指して、ずり、ずり、っと、あ〜ずいぶんかかったよーだけどやっとまん中近く

へ来たね〜、わっ、なんかここんちの人が出て来る気配、つってる時は走ってるぼく。


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