4/4のねこさん       文は田島薫

新人くろのテラスデビュー

計画停電で品薄の納豆が売り切れる前に、って土曜の午前中自転車で買い出しに出かけた途

中、ねこよこちょう入口角の家のテラスの方をのぞくと、その階段を見なれないくろねこさ

んが前足を下の段にかけ、降りようとしながら途中で立ち止まっているのが見えた。そうや

って少しあたりを見回したり耳を立てたりしてるのを、しばらくながめてたんだけど、ずっ

とそのままだったんで、その場を離れた。


や〜、いいとこ見つけたね〜、長いことほーろーしてたぼくに神様からのごほうびかもしん

ないね〜、この木の板の縁台のでかいみたいなとこ気持ちい〜、日なたぼっこに最高だね〜。

しかし、こんないいとこ、なんでみんなしらないんだろ〜ね〜、もっとみんなが集まってて

もいいよーなもんだけど。このまん中に寝転んで、と、あれ?向こうがガラスになってて、

だれか住んでるようだね〜、つーことは、ここはひとんち、ってことかい?てーと、そこの

ガラス開けてだれか出て来てぼくにエサくれちゃう、ってことかい、おいおい、い〜ね〜、

いや、まてよ、そーじゃなくて、こらっ、って言ってぼくをけとばす、ってこともあるか、

ヤバイッ、思わず立ち上がっちゃって、階段に足かけちゃったね〜、ん〜、でも、エサくれ

るかも、やっぱり、こらっ、か、エサ?、こら?、エサ?こら?エサ?こら?、エ〜ッサ、

エ〜ッサ、エサこらさっさ?


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