8/29のねこさん       文は田島薫

チビクロまっくろにらむ

週末の昼前ごろに、奥の家へ行くアプローチを歩いて行くチビクロまっくろが、2階から

見えたんで、声かけて、よ、って手上げたらこっち見上げながら歩いて行ったんだけど、

昨日の同じころ、また彼が歩いてたんでベランダのはじ行って、また、よ、って手を上げ

たら、立ち止ってこっち見てるんで、どこ行くんだい?って聞いてみたら、じっとこっち

見てる。それを見にちょうど私のわきへ家人が来た時、足が動いたんで、家人、あ、逃げ

ちゃう、って言った時、当人その場に寝そべった。で、われわれはそのままじっと見合っ

てたんだけど、丸まる5分もそうしてて、とっくにその場を離れてた家人に呼ばれたのを

きっかけに私はそこを離れた。また2分後ぐらいに現場見てみたらもう彼はいなかった。


や〜、このあたりよく来ちゃうようになったもんだね〜ぼくも、なんだかいい感じなんだ

ね〜このコンクリのとこ、となりの雑草もいいんだけど、歩くにはぼか〜断然こっち派だ

ね。あれ?また上から声すんね、また、あのひとか〜、手上げてるね、なんのつもりなん

だかね、こっちに油断させといてからぼくをけっとばそう、って考えかもしんないから甘

い顔は見せらんないぞ、でも、あんだけ離れてれば、ま、安心だね、ちょっとにらんでや

っか、きりっ、立ってると疲れっから、ちょっと足くずしてみっか、よいしょ、で、あっ

ち見てきりっ、きりっきりっのきりっ、っと。向こうもなかなか負けないね〜、こっちも

負けないんだよ〜、だ、きりっきりっ、きりっ、ほ〜ら、ぼくのかち〜。


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