サニーイズム             文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
サニー、久々にロックのスピリッツを思い出せたようです。



「 R O C K な 日 」

2011年 6月9日

6と9でロックな日だったそうです。そんなゴロ合わせだからって

わけじゃなくて、ずっと安否を心配していた山口富士夫さんが

久々にライブのステージに立つとの案内をもらい、いてもたっても

たまらず数千円握りしめ都内下北沢まで出向いた。

「甦れ日本」タイトルでたくさんのバンドが集まり、東日本震災に

元気を!ってこと。

初めて彼を見たのは数十年も前の慶応三田祭で、村八分の中で

サテン地のパンツにロンドンブーツでギブソンを弾いていたけど

今日は真紅のレスポールに足元のしっかりした赤い靴だった。

ピックアップの切り換えSWを頻繁にしたり、ボリュームSW

で今どきもハウリングを誘発させるのは変わらない。

どの場面で弾くのか濁った白のテレキャスもステージに備わって

いたけど結局出番はなかった。

どうでもいいんだ。指板ちょっとぐらいズレようがそうでなくちゃ

富士夫ちゃんじゃない。それを出来るギタリストももう出ないし

目のまん前で見てる指先と、老いてなお鋭い眼光と合った瞬間の

身震いがたまらんでね。

息づかいだったり、咳こんだり、舌打ちだったり、あくびだったり

一人感動だったり、つまり瞬間感じたままに弦を弾いているんだと

思う。上手くとかロックをやるぜ!だなんて思いもせずに弾いている

だけだから、一瞬ぎごちないくらいに危なさもあるんだけど、そんな

ことよりでかい流れがあるんだなやっぱり。

ああっ良かった。

震災に泣き、薄っぺらな仕組みの原発人災処理に怒り、気持ちの

塊りが治まるところにストン!と落ちた気がした。

ロックだロックンロールだって言葉であっさりテレビの中で

土下座しながらソレを言っているやつにイライラしていたけど

やっと楽になった。





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