思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
民主党政権の無責任発言にシャンせんせい匙投げてます。




25と20

25と20という数字は、忌み嫌われる数字の4や13と同じように質の悪い大法螺の代

名詞として記憶にのこるだろう。

25は、鳩山前首相が日本のCO2排出量を1990年比25%削減すると国連演説で世

界に宣言した数字。

当時は日本の過去の実績からみて、もしかすると25%は無理としてもかなりの成績を上

げるのではないかと期待されたし、財界は青くなって本気で足をひっぱろうとした。とこ

ろが結果はご存じのとおり。

20はというと、先日のサミットで菅首相が日本の総発電量の20%を自然エネルギーに

置き換えると宣言した数字である。

どちらも理想としてはすばらしいことなのだが、閣僚との相談もなく両首相の思いつきで

語られたところに問題がある。菅発言にしてもさっそく経産大臣からクレームがついた。

いくら2020年代を目標としても1000万戸の住宅の屋根に太陽光発電パネルが乗る

なんて経産大臣でなくても眉に唾をつけたくなる。


オバマ大統領のイスラエル国境発言にたいして米政府内から大きな反対意見はきこえてこ

ない。一見唐突に聞こえる発言でもきちんと政府内の合意はとれているのではないか。

ところが民主党政権の両首相は、合議というものがきらいらしい。おそらく二人とも自分

の気に入ったブレーンの気に入った提言だけをとりいれて閣僚にはなんの相談もなく発言

しているのだろうが、公式の場で世界にむかって宣言したことなので実行されなければ国

際信用にかかわる。しかし両首相の発言は、なんの裏付けもなくたんなる思いつきの域を

出ていない。この25と20という数字は、日本の恥辱として残ることだろう。

もっとも政治の体をなしていない民主党政権の首相のたわ言などサミットが終わればだれ

の耳にも残っていないかもしれない。

とは言っても国際政治というものは残酷である。自国に都合がよいとなれば、この古証文

を引き合いに取引をせまってくる可能性がある。そのときどの様な顔をしてこの数字を受

け止めればよいのであろうか。


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