思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい本気で緊急に人材待望してます。知ってる人は言ってよね。



レベル7

政府は福島原発の事故をレベル7(深刻な事故)に引き上げた。

ここに至るまでのデータは、3月15日には出ていたのに決定まで一カ月かかっている。

このもたつきように国内マスコミはもちろんのこと、海外マスコミも厳しい評価を下して

いるのに反して、各国政府は一様に好意的である。しかし、その好意的なるものが日本政

府の判断を評価したものでないところがなさけない。

それは、出来の悪い息子が世間に迷惑をかけながらようやく自分の非を悟るまで、よけい

な手を差し伸べず暖かく見守って「ようやくわかってくれたかい」とやさしく声をかける

慈母のようなものだ。


さて、前おきはこのくらいにして、本当の「レベル7」は菅首相である。

すべてに指導力がなく、やるに事欠いて十指にあまる委員会をつくり責任の所在をあいま

いにしている。たまに行う決断は時期を逸して現場に混乱をもたらし、国民の前でやるこ

とは、キュウリを齧ることくらい。諸外国に迷惑をかけている原発問題では、いまごろ外

誌上で謝罪する外交オンチ。と、その無能加減をあげたらきりがない。

また、被災者の日々の暮らしを現場まかせにして、東北地方にエコタウンを作るとぶち上

げたかと思うと、こんどは学者、識者をあつめ「復興構想会議」なるものを立ち上げ、初

会合で委員の一部から原発問題が入っていないと指摘されると「出直してまいります」、

というていたらく。平成の後藤新平を気取る誇大妄想狂にはもう政治をまかせられない。


まかせられない、と言うからには代替えを提示しなければならない。

いま、誰をと云うわけにはいかないが、次のような素養を持った人ということは言える。

まず、被災者の生活をあるていど安定させてから復興計画を相談する。まちがっても体育

館に雑魚寝をさせておいて、「復興計画でござい」、なんてトンチキを押し付けないこと。

「復旧」と「復興」の違いを正しく理解していることが大切だ。

つぎに、東電と真っ向から闘える人。この先必ず補償問題について国を巻き込んだ法廷闘

争や、自然災害損害賠償免責の問題が起こる。これには、散々政治献金をもらってきた自

民党、労働組合の世話になってきた民主党の現状では立ち向かえない。

では、どのような政治家がいいかというと、たとえて言えば国鉄を解体した中曽根元首相。

郵政解体に手をつけた小泉元首相のように、旧恩はさておいて大局に立ってものごとを決

断できる人物が好ましい。


明日をもしれぬ内閣の空手形に振り回される被災者が気の毒だ。

国会議員諸侯は、政党の枠をはずしてこのような人物を探し出す義務がある。そうして日

本国の「レベル7」を救うのがあなた方の仕事だといいたい。

現在の政治家の中に必ずいるはずである。中曽根、小泉両氏も二流の政治家と言われてい

たのだから。


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