12/19のしゅちょう             文は田島薫

(ご馳走のリスクについて)

ご馳走、って聞くと人は、ふだんなかなか食べられない、高級牛肉とか、高級魚

介類をたっぷり腹一杯いただく、ってようなイメージを持つんだろうけど、これ

が健康におよぼす影響を考えるとかなり心配が多いのだ。

まあ、恒常的に動物性たんぱく質不足で、時々、少々多めのそれをとる、ってい

うようなローテーションがあるならそれはそれでいいのかもしれないんだけど、

ふだんは野菜や豆とか雑穀類でそれなりにバランスのとれた食生活をしてて健康

な人が、珍しく食べ慣れない肉を食べる、ってような食事は身体に悪いのだ。

例えば、よくヨーロッパなどの旅行中の老人が急死したりするのはそれの原因が

大いに考えられるのだし、現に、もうかなり以前の話だけど、私のおふくろはほ

とんど食べたことのなかった牛肉のステーキを食べたところ腹に激痛を訴え、私

は急病の知らせを受けてさいたまから茨城へ急いだことがあった。もっともその

時は着いた時には治まってたんだけど。また、友人数人と旅行した時、温泉旅館

に出た大量のご馳走に、友人の1人が腹痛を起こしたことがあった。まあ、これ

は食べ過ぎの例だったかもしれないんだけど、高級旅館などのご馳走は、料金に

見合うように、って動物蛋白の充実に力を入れるため、けっきょく、どうぞ病気

になってお帰りください、って言ってるのと同じ馬鹿げたことをしてるのだ。

ふだんから肉をもりもり食べて、肉体の重労働してる、って人なら問題ないかも

しれないけど、そうではない人は、冠婚葬祭や間近な正月なんかの集まりで、い

くら高級珍味で美味しそうだからといって、食べ慣れない動物蛋白などを極端に

食べ過ぎるようなことは避けた方がいいのだ。大きなお世話だけど。

食養をよく知ってる人はいくら金持ちであっても食事の贅沢さには慎重なもんで、

粗食を愛したり、珍味などもほんのわずかの量を楽しんでるはずなのだ。

ふだん、贅沢にあこがれてるわれわれ貧乏人ほど、ふとご馳走に目がくらみ、身

体をこわすことも多いのだから、この時期、十分気をつけよう。


※注:一般的にたんぱく質が日常的に少なすぎると弊害もあるので適量は必要です。




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