思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
夏休み明けのシャンせんせい、たよりないわが国の政治にあきれてます。
なまあくびココ通休むも彼岸まで
猛暑だ、酷暑だと騒いでいても彼岸を迎えたら急に涼しくなった。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもの。
猛暑の原因は二酸化炭素だ、北極震動だ、偏西風の偏りだと騒いでいるが、それが分かったとし
ても猛暑がなくなるわけではない。
すぐに解決できないことを騒ぐより、物事を大きく観て、それは大自然、お天道様のせいだと達
観して日々の工夫をすればよい。
今年は、いくら“達観して日々の工夫”をしても熱中症で死ぬ人が続出した。
「死にたくなければどんどんクーラーを使いましょう」と国もやっきになってはやし立てた。電
気代が心配な人もクーラーを持てない人もおかまいなしに。
昔は、猛暑と夏の甲子園は電力会社の脅威であった。いっせいに使われるテレビとクーラー。大
規模な停電になったこともある。
ところが今年は、電気の「で」の字も騒がれない。はて、面妖なと思っていたら、はたと思いつ
いた。それは、原発のおかげだろうと…。
特別効率のよい火力発電所が出来たということは聞かないし、原発以外にこの大電力消費をまか
なえるものはない。建設反対派を札束でなぐるようにして原発建設に邁進した国家の先見と大局
を観る目に感心した。
ところがこれは原発のおかげではないと知った。
ここ十年来の不況で工業電力の消費が激減したため電力に余裕があった、ということだ。
「国衰退して、民熱中死を逃るる」の図である。
こんな理由で熱中症から逃れられても、嬉しいやら悲しいやら。
さきほど「先見と大局を観る目に感心した」と揶揄ぎみに書いたが、最近の政治には先見も大局
を観る目もない。尖閣事件の中国人船長釈放劇もそうだ。なんという、理由とタイミングの悪さ。
一番喜んだのは韓国だ。これで竹島問題がなくなった。
「クーラーを使いましょう」と同じに、目先の対応になすすべもなく振り回される政府を見てい
ると、“なまあくび”もとまらない。